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藤崎京之介怪異譚
last case.「永遠の想い」
U 4.25.PM6:57
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へと報告したのだが…。
「何?不明による焼死だと?そんな理由があるか!」
「警部。そう仰られても、私としましても説明がつかないのです。どうも内側から燃焼したようなので…。こんな遺体は初めてです。」
 初老の検死官はそう言って頭を抱えた。まぁ、その検死官だけでなく、聞いていたプフォルツ警部も同じなのだが。
「内側から燃焼した…ねぇ。一先ずは事故で処理するしかないかな。まぁ、追求はしますが、恐らくは解らないでしょうね…。」
 プフォルツ警部はそう言うや、後ろにいた警官達に遺体の搬送を命じた。だがその時、再び暗闇から悲鳴が上がった。
「おい…冗談じゃないぞ!また何かあったのか!?」
 悲鳴に驚いた奏夜が立ち上がり様に言うと、俺とメスターラー氏は走り出した。
 もう日も落ち、この路地は闇も同然だった。幾つかの家には明かりがあったが、明かりのない家もあり、多くの空き家があるのだろう。
 だが、その闇の中へ異質な光があった。その光は、まるで炎の様な赤い光…。恐らく…あの光がある場所から悲鳴が上がったのだろう。
 俺とメスターラー氏は、その光を目指して角を曲がった。だが…そこで目にした光景があまりにも非現実的で、一瞬、何がどうなっているのか理解に苦しんだ。
「メスターラーさん…これ、何なんでしょう…。」
「私にも…解らない…。」
 光…それは炎の明かりだった。しかし、そこで燃えていたのは…人だった。それも幾人もの…。
 その炎の中で未だ二つの影が動いていたが、もはや助け出すどころではなかった。
 そこにはガソリンなどの臭いもなく、燃えそうな類いのものもない。なのに…人がこれ程に燃えるものだろうか?この炎は、人の内から直接出ているように見えるのだが…。
 石畳の道に煉瓦の家…そこで人が炎に包まれている様は、幾度となく夢に見そうだ…。地獄というものが存在するならば、これがそうなのかも知れない。
 戦場を地獄だという者がいる。それならば、この目の前にある光景は…何なんだ?一方的に炎に焼かれ、理由もなく生きたまま灰にされる…。
「何なんだ…何なんだ!?」
 俺は怒りのあまり叫んだ。
 すると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「別に…理由なんてないよ。これといって人間が少なくなっても、さして困りはしないからね。単に暗いから、蝋燭代わりに灯しただけさ。」
 その声を聞き、俺は一瞬で体を強張らせた。
 その悪意に満ちた言葉を紡いだ声…俺はその声に聞き覚えがある…。
「まさか…田邊…!?」
 そう呟いて声の主を探すが、一向に見付けられない。メスターラー氏も同様に探しているが、彼にも見付けられないようだ。
 目の前は炎の海で行けない。だが、その炎の向こう側に、俺は見覚えあるシルエットを見付けた。
「田邊…田邊なのか!?」
「田邊…
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