機動戦艦ナデシコ
1295話
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か?」
「そっ、それは……」
エリナが言葉を詰まらせる。
……そんな状況を、面白そうに見ていたり、不愉快そうに見ていたり、呆れたように見ていたりする者がおり、このままではいらない騒動に巻き込まれるだろうと判断した俺は、気配遮断を使用してその場を後にする。
ナデシコは本当に騒動には困らない艦だよな。
だからって、それに巻き込まれるのはごめんだが。
ブリッジを出た俺の耳に、中から俺の名前を呼んでいる誰かさん達の声が聞こえてきたが、きっと気のせいだったのだろう。空耳だ空耳。うん、きっと間違いなく。
そんな風に考え、気配遮断を解除して格納庫へと向かう。
幸い……幸い? まぁ、取りあえず知っている奴には会う事がないまま通路を歩いていると、コミュニケに着信があった。
誰からの着信なのかは分かっていたが、もしかして……本当に、万が一、億が一にも何かの業務連絡だったりすれば無視するのは不味いので、通信を受けるが……
『ちょっとアクセル! 貴方ねぇ、ああいう時に自分だけさっさと逃げ出すのって卑怯じゃない?』
『そうよ。争いの張本人でしょ? なのに、何で自分だけさっさといなくなるのよ。おかげで、ブリッジに残っていた人の視線が私達だけに向かってきたじゃない』
2つの映像スクリーンに映し出され、丁度俺の顔を挟み込むようにしているのは、予想通りにハルカとエリナの2人だった。
……こうなるだろうとは思ってたんだけどな。万が一を考えた俺が馬鹿だったか。
微妙に反省しながらも言い訳を探し、丁度いい言い訳があった事に気が付く。
「研究所に出発する準備をしろって話だっただろ。特に俺の場合は機体が格納庫じゃなくてコンテナにある。だから、余計に準備に時間が掛かるんだよ」
それは、ある意味で正論。
だからこそ、ハルカとエリナもそれ以上は何も言わずに不満そうにしながらも黙り込む。
『戻ってきたら、しっかりと話をしましょうね。この3人で。いい、エリナ。アクセルと一緒に行動するからって、妙な抜け駆けはなしにしてよ?』
『ちょっ、誰がよ! べ、別に私はアクセルの事なんかなんとも……』
『あら? じゃあ、何でそんなに頬が赤くなってるのかしら? 美人な顔が台なしよ?』
『そ、それは……』
また、すぐにそんなやり取りが始まってしまったが。
ともあれ、何とか話を先送りにする事には成功した。
コミュニケを切って、格納庫へと向かいながら考える。
そろそろハルカには俺の事を話した方がいいのかもしれないな。好奇心や興味が強いとは言っても、ハルカが俺に対して強い好意を抱いているのは事実だ。
そうである以上、俺もしっかりとその気持ちに応える必要がある。
例えば、俺に恋人が他に9人、別れ別れになった凛と綾子を入
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