暁 〜小説投稿サイト〜
藤崎京之介怪異譚
last case.「永遠の想い」
T 4.13.AM10:14
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さんは父の妹だ。小説家である山久昭雄氏と結婚して子供もいるが、自身はCD・DVDなどの販売店を経営している。
 正直、あまり会ったことはないのだが、少々気難しい性格で、母のことはあまり快くは思っていない。と言うより、そもそも外国人が好きではない様だ。
 尤も、叔母さんの店はチェーン展開していて、海外にも店を出している。その為か、ここ数年は母とのいざこざは絶えて久しい。
「で、何しに来たんだ?日本で仕事してるんじゃなかったのか?」
 俺はそう言いながら叔父と二人中へ入り、近くにあった椅子へと座った。
 俺は半眼で奏夜を見ていたが、宣仁叔父はさも可笑しそうに微笑みながら俺達を見ていた。
 奏夜はそんな俺や宣仁叔父を見て、苦笑しつつも来た理由を話した。
「実は…俺んとこに宮下教授と田邊社長が来てさ、兄貴んことで相談されたんだ。」
「は?何で教授と修一氏が?」
 俺は首を傾げた。何でまた奏夜のとこへ行ったのか見当がつかない…。
「それなんだけどさ…田邊社長は息子の安否が心配で、どうしてもこっちに来たいんだってよ。教授は団員達の要望を届けてほしいってことだったんだけどさ。兄貴、二人が直に来ても断るだろうからって、俺んとこにねぇ…。」
 身内だったら断らないだろうと考えたわけか…。
 だが、それで俺の気持ちが変わることはない。奏夜だって、俺がそういう人間だと知ってる筈だが…。
 そう考えながら俺が溜め息を洩らすと、奏夜は苦笑混じりにこう言った。
「それでさ、まさか二人を連れてくるわけにもいかないだろ?だから、暫く俺が兄貴の手伝いして、向こうへ随時報告をするってことで折れてもらったんだ。」
「…何だって?奏夜、お前仕事どうする気だよ。」
「それは心配ないよ。仕事も大体は終ってるし、残りはこっちにいても大丈夫だから。これが終れば暫くは休めるし、全く支障はないから。」
 俺は再び溜め息を洩らした…。これ以上誰かを巻き込みたくないのだ。それは身内でも同じだとなぜ分からないんだ…?
 確かに、田邊社長…修一氏は息子が行方不明なのだから分からなくはないが、だからといって人員を増やせば解決出来るものじゃない。警察もそれを分かっていて増員せずに捜索しているんだからな…。
 あの事件…あの惨劇を目撃し、それを否定することは出来ないだろう。だから、警察は文句を言われ冷たい視線を浴びせられても、今の体制を崩さずにやっているのだ。
「で、どこまで進んでるんだ?」
 俺が黙っているのを見て、奏夜から話を切り出した。だが、それに対して答えたのは、隣に座っていた宣仁叔父だった。
「それだが…あの事件以来何も起こらず、正直な話し捜査も行き詰まっていてな。」
「え…?あれから三ヶ月も経っていて手掛かりすら無いんですか?」
「そうだ。捜査範囲を広げてはいるの
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