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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-3 自分の意味を知りたくて
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体誰なんだ…!?

悩んでも答えは返ってこない。米田も、自分がどこの人間でなにをしているのか?それを語ることはなかった。それにしても、どうして米田はこんな自分を保護したのだ。こんなに強大すぎる人間を自分の手元に置いて、養子として扱うなど、一体何を考えていたのだろうか。
(いや…まてよ、確か…)
自分が目を覚ましたあの日、自分の処遇を決める際、あの時点で帝劇に留まっていた面子の中でジンの存在は米田以外誰も知られていなかった。だがあの時の米田は、ジンを知るもう一人の存在をほのめかしていた。
(確か…『あやめ』って人だったか?)
もしかしたら、米田でさえ知らないことを、その人物なら何か知っているのではないだろうか?
会って話をしてみたい。ジンはひとまず悩むことは、そのあやめという人物に会うまでとっておくことにした。

が、ただ待つというのも少しもどかしかった。

ジンは、あやめという女性が次に帝劇に来る日を確かめるために、誰かに確認をとってもらおうと、一度自室を後にした。
屋根裏部屋の階段から二階に降りると、マリアがちょうどバルコニーに向かうのを見つけた。ちょうどいい。彼女から何か聞いてみることにし、ジンは後を追った。


マリアはバルコニーに出て、心地よいくらいに冷たくなった夜風を浴びていた。
その手には、ペンダントの鎖に繋がれた金色ロケットが乗せられており、ロケットにはある人物の顔写真が映されていた。
「………」
彼女はただ静かに、じっとそれを見つめていた。そのロケットに映る人物の目を通して、何を見ているのだろうか。
「ッ!」
ふと、マリアは背後に誰かの気配を感じ取って咄嗟に振り返った。
「マリア…さん?」
「あなただったのね…」
振り返ると、バルコニーの入り口にてジンが立っていた。
「もしかして、脅かしてしまいましたか?」
「…いえ、私が勝手に驚いただけよ」
マリアは咄嗟にロケットをしまいこんで、再び帝都の夜景に目を向ける。
「隣、いいですか?」
「ええ」
自分も夜風を浴びてみたいと思い、ジンはマリアの横に立った。
「最近、調子はどうかしら?」
「ええ、みんなよくしてくれています。さくらも、好印象を抱ける女の子でした」
「そう…」
「…マリアさん」
ふと、ジンが横のマリアに話しかけた。
「光武を使うには、霊力という特別な力を操る必要があると聞きました。そんな力が自分にあると聞いて、どう思いました?」
その問いは、自分の持つ赤い巨人の力を、マリアたち花組の面々が持つ霊力を互いに照らし合わせたことで浮かんだものだった。巨人の事は直接話さず、ジンは答えをマリアに求めた。
「…恐ろしい、とも言えるでしょうね。普通の人にはほとんどないものだから」
「そうですよね…」
赤い巨人の力、そして霊力
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