暁 〜小説投稿サイト〜
ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-3 自分の意味を知りたくて
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、釈然としないのがさくらの見解だった。
本当に舞台を行うことが繋がるのだろうか。その迷いと疑問が、訓練にも支障を与えることもあったという。
僕は…どうしてこんな力を持っているんだろう。
実の父や母は?兄弟は?生まれ故郷は?
なぜ何も覚えていないのだろう。
この力を持っている理由も、そもそも自分が何者なのかも、目覚めてから何日も経過したのにわからないままだ。もしこの力に意味があるとしたら、その力を持って何かを成さなければならないのではないか?
僕は、本当にここで…こうして何事もなく暮らしててよいのだろうか。
記憶をなくしてしまったとはいえ、帝劇で当たり前のように過ごした暮らしはとても新鮮に感じられて飽きることがないと思えるほどだった。故に、自分には過去がないことなど気に求めなかったが、赤い巨人の…その片鱗として発現した、怪蒸気を破壊した力。それを自覚してからは、一人で居ると、記憶がないことと、自分の持つ異能の力のことを考え込むようになった。
そして、米田の言葉が浮かぶ。
---覚悟もないのに、首を突っ込むな。
---お前の力は強大すぎる。
ジンは確かに光武を乗り回す花組メンバーよりも強大な力を秘めている。だがトラ少年を助けたとき、帝国華撃団・花組がそうであったのように、覚悟を持ってそれを成していたわけじゃない。それでも、目の前で危機に陥った少年を放っておけといわれてできるだろうか。街で現れた、あの巨大降魔が現れた時だって…
(そういえば、僕はあの時…)
無謀にもあの巨大降魔…デビルアロンと対峙した時、自分は逃げなかった。普通は逃げなければならないのに、それ以上にあのときの自分は、立ち向かわなければならないという使命感が強まっていた。まだ巨人の力を自覚していなかったにもかかわらずに。敵うはずがないのに。
まるで、自分の体があのような悪魔と戦うことを求めているようだった。
そんな得体の知れない自分の何から何まで、恐ろしくも思えた。
ジンの部屋は…いや、部屋というよりスペースというべきだろう。帝劇の屋根裏部屋の窓際に畳を敷き、その周囲を余ったカーテンを吊るし、部屋として使っていた。本来ならちゃんとした部屋をもらっているはずだった。事実花組が使っている部屋は、いずれまたこの帝劇に来る予定となっているメンバーも含めても余りが2部屋ほどある。だからジンはそれらの部屋を使わず、屋根裏部屋を自室として希望したのだ。
もう一つ理由がある。
(星…)
夜空に光る星を、眺めていたいという強い希望があったからだ。
窓から見える星が、悩みを打ち消してくれていた。
だが、ひとたび目を離すとまた苦悩が蘇る。
(僕は…何のためにこの力を持っている?一体何をすればいいんだ…?)
誰か教えてくれ…僕は一
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