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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-3 自分の意味を知りたくて
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めようとしたにもかかわらず、突然何の前触れもなく大破してしまった。ジン自身も、あれが自分でも把握し切れていない自分自身の力が関係していることは薄々勘付いていた。
「変身はしていないみたいだが、だからといってお前の体に眠っている力が全て使えないってわけじゃないってことか。だがジン、お前の持つ赤い巨人の力は、花組の連中の何倍にも勝る。迂闊に出そうとすればどんな障害が起きるかわかったもんじゃねぇ。
いいか、その力のことは誰にも言うんじゃねぇぞ。例え同じ帝劇にいる仲間でもな」
ジンは、自分をじっと見てくる米田の目を見る。この人は、自分のことについては本人でないにもかかわらず、自分よりも知っている。
「それにお前は正規の隊員じゃねぇ。ここで働くただの一般職員だ。今回は結果として子供が助かったからよかったものの、半端な覚悟で首を突っ込もうとしたらてめぇ自身の命がねぇし、周りを傷つけることもあるかもしれねぇ。
いいか、覚悟もないのに無理に危険なことに首を突っ込もうとするな。わかったな?」
「…わかりました」
あの日をもって、真宮寺さくらは帝国華撃団・花組の新メンバーとして迎え入れられた。
アイリスは新しいメンバーが増えたことを素直に喜んだ。ただ、マリアはともかくすみれはというと、歓迎的な態度を示さなかった。田舎臭いだのなんだのと出会いがしらに変ないちゃもんをつけてしまったのだ。流石のさくらも最初はこらえていたが、とことん悪口を言われるとジト目ですみれを睨み返すようになったとのこと。
「あ、え、い、う、え、お、あ、お!」
「四番と八番の音が小さいわ。もっと意識して」
「は、はい!あ、え、い、う…」
まぁ、そんな女同士のいさかいは置いておこう。さくらは帝国華撃団花組に参加したことで、普段の活動でもある舞台にも立つことが義務となった。元々純粋に帝都を守ることを使命として、仙台から越してきた彼女としてはかなり戸惑いを覚えることだった。まさか、帝都を守るために来たはずの自分が、女優としてデビューするなど想像もしていなかった。だが、舞台を行う理由も自分からみても理解できた。文句をのど元で抑え込み、彼女は女優としての訓練をマリアの主導で受けるようになった。
ちなみに今受けているのは、基本的な発声練習だ。滑舌が悪く小さい声ではとても舞台に立つことなどもってのほか。サボることなく、しっかり受けていた。
「今日の練習はここまでね。お疲れ様」
「は、はい。ありがとうございました」
とりあえずその日の訓練を終わらせ、さくらは元の桜色の和服に着替えて舞台を後にした。
さくらは本来帝都を守るために修行を重ね、この帝都にやってきた。それが、どういうわけか女優行をやることになるとは。確かに舞台を行うことが、魔と戦うための力『霊力』の調整と強化に繋がるとは聞いたが
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