第四話〜記憶〜
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
頭に靄がかかる中、ライは目の前の光景を見続けていた。
それは忘れもしないダモクレス攻略戦の終盤、ナナリーからダモクレスの鍵を受け取る間際の情景。
ナナリー『…このダモクレスの鍵が目的ですか?ブリタニア皇帝…いえ、狂王、ライ・ズィ・ブリタニア。』
ライ『それが分かっているのなら、それをこちらに渡してもらおう。それは貴方には必要のない物だ。』
ライ「……」
光を取り戻したナナリーの瞳は冷たい瞳を宿した皇帝としてのライを写す。かつての自分を見るナナリーの敵意の宿る表情に胸が痛むライ。そんな中、目の前の光景は進んでいく。
ナナリー『あなたはこの世界をどのように導くおつもりですか?』
ライ『それは貴方の考えている予想通りだろう……』
ナナリー『なら、貴方は他人を利用し世界を縛るおつもりですか?…お兄様やスザクさんのように。』
ライ「……ろ…」
かつての自分の道のりを目の当たりにし、ライは言葉を口にするがナナリーは言葉を続ける。
ナナリー『私はお兄様やスザクさん達と平和に暮らせれば、それで幸せでした。しかし、お兄様がゼロとして立ち上がり、戦いを起こしてしまいました。そしてそのまま戦い続けていれば、今この場にいたのは貴方ではなくお兄様でしたでしょう。』
ライ『なにが言いたい?』
ナナリー『貴方はお兄様と同じくギアスを持っているのではないですか?』
ライ『……』
ナナリー『そして、その力でお兄様達を欺き、今の地位を手に入れた。』
ライ『そうだとしたら?』
ナナリー『私は貴方を許すことができない。その行為は卑劣なのです。人の心を捻じ曲げ、尊厳を踏みにじるギアスは。』
ライ『ならその力を行使したルルーシュはどうなる?』
ナナリー『お兄様の罪は私が背負います。』
ライ『……』
ナナリー『そして、このダモクレスを憎しみの象徴とするのです。』
ナナリーの決意の言葉を受け止めるライ。
ナナリー『憎しみをここに集めるのです。皆で明日を迎えるために。』
その言葉を聞き、ライは迷いを捨てた。
ライ『ライ・ズィ・ブリタニアが命じる。ダモクレスの鍵を渡せ!』
そして、ライはダモクレスの鍵を手にする。ナナリーからの侮蔑と憎しみを含めて。
ナナリー『貴方は!世界と人を狂わし!全てを壊そうとする!その先に、何も残らないということも分からずに!』
立ち去ろうとするライにナナリーは罵倒を浴びせ続ける。
ライ「…もう……やめてくれ…」
その光景を、ライは悲しみにくれながらも見つめ続けた。
機動六課・医務室
砲撃の後、ライを回収し自分の所属する部隊、機動六課に帰還したなのははそ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ