テーマ短編
GGO番外編 節分!!
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この馬鹿ァ!!」
「ごブッ!」
拳で突き上げ、リョウの首が上へ振れた。飛んでくる砲弾を躱しながら、リョウが怒鳴る。
「ってぇな!てめぇ助けられといてその態度かよ!」
「誰も頼んでないわよ!て言うか、良いから降ろしなさいよ顔近いのよ!」
「お前の脚が健在ならとっくに落としてるんですけどねぇ!?」
怒鳴り合いながら砲弾を躱すリョウは、いよいよもってうっとおしくなったのか。唐突に真上に飛んだ。
「jump!」
「きゃッ……!」
ボンっ!と音を立てて、リョウの身体がT-90の方へ向けて吹き飛ぶ。追いすがるように砲塔がその姿を追うが……
「ちょっとごめん、ねっ!」
「大人しくしててくれ、よっと!」
アイリが運転席と思われるハッチの真上から光剣を突きさし、キリトが砲塔部を一閃。砲塔がガランっと音を立てて落ちる。と、
「っ!」
リョウが車体の真上に着地すると、ヤミの下半身だけを降ろしてしゃがみこんだ。
「ち、ちょっとどうする気!?」
「こうすんだよ!」
言うが早いが、リョウはハッチの掴めそうな場所をひっつかむと、思いっきり引いた。
「オォ……羅ぁっ!!」
「……うゎ……」
バキャンッ!と金属の折れる音がして、リョウの左手から丸いハッチが吹き飛ぶ。彼はそのまま脇に持っていたプラズマグレネードのスイッチをニ回押すと、ハッチの中に落とし、
「飛ぶぞッ!」
「うぇっ、ひゃぁっ!」
ボンっ!とう再び音を立てて戦車の上から飛び去った。直後……
「BOM!!」
ボンっ!と文字通りの音を立てて、陸の王者は内側から吹き飛んだのだった。
「うっし、どうよ!」
「…………」
ニヤリと笑ったリョウを見て、ヤミはポカンとその顔を眺める。しかし少しすると、小さく微笑んで呆れたように言った。
「私が爆弾置いた意味は?」
「ま、テストって事で」
「……馬鹿にしてるわよ、まったく」
こうして、彼等の節分イベントは終わった。
────
「…………」
風巻杏奈は一人、縁側で絵法巻きを食べていた。節分にある一定の方角を向いて絵法巻きを食べると言うのは昔からある習慣だが、今年の方角がたまたま自宅の縁側と同じ方角だったのだ。
「……ん、御馳走様」
一本丸ごとを黙々と食べ終えて、彼女は庭を眺める。冬場であり位夜の住宅街。遠く、近所の家から「鬼はー外―!」と言う子供の声が聞こえて来るのが聞こえていた。
「は−っ、疲れたわね……」
ふと、今日の戦闘の事を思い出す。
大変では有ったが、終わってみれば割と楽しかったと言えよう。久々に思いっきり撃ちまくれたし、アイリも終わった後は満足げだった。
ヘリや戦車には流石に驚いたが、ヘリはシノンが見事な腕前で何とかしてくれたし、戦車は……
「…
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