暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《五話─人が信じ合う為に》
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リョウはいないんだけど……君はどうする?」
「……そ、それじゃあ外で待ってます!」
「あ、まって!」
「?」
留守では仕方が無いので、そのまま玄関先から去ろうとする、と、サチに後ろから呼びとめられた。
すこし恥ずかしそうに微笑んだ彼女が、小さな声で聞いてくる。

「あの、まってるつもりなら、中に入らない?おなか空いてたり……しない?」
「へ?」

────

サチが入れてくれた家の中はとても素朴で、温かい家だった。
家の中は外見と同じ、木造で、玄関から入ってすぐにリビング、奥にキッチンがある。リビングの真ん中にある暖炉は今は火を止めているけれど、冬にはきっと温かい光をともすんだろう。いや、きっとその光景は、ボクも知っている者なんだと思う。ボクが大好きなあの場所に、そっくりだろうから。

「今、そっちにお茶を持ってくね?ちょっと待ってて」
「あ、い、いえ大丈夫ですから……!」
実を言うとボクは、“他人の家でもてなされる”と言う経験を殆どした事が無いのでこういう時どんなふうに動けばいいのか良く分からなくて困ってしまう。後で考えたら、こういう時は「お構いなく」なんだろうけど、其れすら出て来ない。

「あ、あの、サチは、この家にリョウと二人で住んでるの……ですか?」
「ふふっ」
台所の奥から小さな笑い声が聞こえて、ボクはややびくっと反応する。なにか変な事言っただろうか……?

「ね、使いにくかったら、敬語は無理に使わなくても大丈夫だよ?」
「うっ……じ、じゃあ普通にするよ……?二人で住んでるの?」
「うん、そうだね」
お茶の準備をテキパキと進めながら、サチは微笑んで此方を見ながら答える。男の人と女の人が一つ屋根の下で一緒に住んでいる。と言う事は……と想像して、思わずポツリとボクは言った。

「そっかぁ……じゃあサチはリョウさんの奥さんなんだね」
「ふぇ!?わきゃあ!」
「!?」
そう言った途端に今度は台所から堅い物の落ちる音と、変な声が聞こえて来た。もしかして、お皿落とした?

「あ、あの、大丈夫?」
「う、うん大丈夫!ごめんね、ちょっと手が滑っちゃって」
言いながらサチは床に落ちた皿を拾い集めている。この世界の皿は基本的に床に落としたくらいでは割れない。耐久値が0にならないと、壊れる事が無いからだ。幸い今回は皿は割れなかったようで、サチは床に落ちた皿をそのまま拾い上げて別の物と交換していた。待つこと数分。
サチはお盆に乗った紅茶とサンドウィッチを持って、ボクの方へとやってきた。

「はい、お待たせしました。お口に合えばいいんだけど……」
「あ、ありがとう……」
言いながら机の上に皿を並べて行くサチの微笑みはとても優しくて、気持ちがぽかぽかと温かくなる。対面に座った彼女が、水差しに近い形
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