コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《五話─人が信じ合う為に》
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にリョウさんの連絡先を聞こうと思い立った。その機会を逃してしまったら、もう永久にチャンスが失われてしまうような気がしたから。
そして……今に至る。
この五カ月で、ボクは本当に大きく変わった。
さっき思い出していた、人とのかかわりだけじゃない。レベルも上がったし、装備も強くなって、もう自分一人でも思い出の丘を乗り越えられる、後少しで攻略組も手の届く所まで、強くなった。
今なら、五か月前よりもほんの少し、リョウさんに近い場所で話す事が出来るかも知れない。そう思えば、リョウさんにもう一度顔を合わせる勇気も湧いた(そうしないと勇気がわかないのはちょっとだけ情けないけど)だから僕は、今森を駆けている。
ボクがつけなくちゃいけない、最期のけじめをつけるために。
キリトに教えられた森の中の道を走っていくと、その家はそれ程時間を掛けずに見つかった。森の中にひっそりと建っている、一軒の家。
キャンプ場にある、少しばかり豪華なログハウスみたいなそれは、景色の中に静かに溶け込んでいる。
「……ッ」
近付いて、扉をノックしようとして、ボクは一瞬だけ躊躇ってしまう。
本当は、少しだけ怖いと言うのが本音だ。僕自身なんと言って会えばいいのか分からないし、リョウさんがあの時の事をどう思っているのか、分からない。でも……
「(頑張らないと!)」
そんな事、言っていられない。そう思いながら、僕は扉をコンコンと二回叩く。
反応は、数秒後に帰ってきた。
『はい……どちら様でしょうか?』
返ってきたのは、柔らかくては優しげな、女の人の声だった。記憶の中にはっきりと残っているリョウさんの声ではない。きっとキリトが言っていた、リョウさんと同居している人の声だ。
「あ、あのっ!突然お邪魔してごめんなさい!ぼ、ぼく、リョウさん……リョウコウさんに会いたくて、えっと……!」
「リョウですか……?あの……失礼ですが、どちら様でしょう……?」
戸惑ったような声に、ボクは自分が名乗ることすらせずに要件を一方的に相手に叩きつけている事に気が付いて慌てて自己紹介をする。
「す、すみません!ボクはユミルと言います!えと、以前リョウさんにとてもお世話になった事があって……」
「ユミル、さん……あ、キリトの言ってた……」
「は、はい!」
キリトの名前が出たことで、思わず食い気味にボクは返事を返す。数秒の間沈黙が続いて……静かに扉が開いた。
「えっと、いらっしゃいませ……なのかな?それとも、ようこそかな?」
「あ、えと……」
中から顔を出したのは、リョウさんと同じくらいの歳の、女の人だった。
肩くらいまであるセミロングの黒髪に、優しげな眼と顔立ち、それに、右目の下にある、小さな泣きぼくろ……
「私は……サチって言います。ごめんね、今は
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