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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《五話─人が信じ合う為に》
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して、キリトは首を傾げながら頭をポリポリと掻いた。

「兄貴なら、行き成り呼んだりしても其処まで嫌がったりしないと思うけど……兄貴が君に会いたがらない理由とかが無い限り……」
「…………」
「あー、れ?」
黙り込んだ僕の様子を見てキリトは困ったように首を傾げる。其れから少し察しが付いたみたいな顔で、苦笑した。

「つまりその……兄貴が会いたがらない理由がある……って事か?」
「直接聞いた訳じゃないんだけど……でも、きっとそうだと思う……それが、ボクがリョウさんに会いたい理由でもあるから……」
「うむむ……」
キリトは頬を掻くと、腕組みをして少しうんうん唸る。少しの間そうしていると、不意に一つ頷いてボクの目を見てキリトは言った。

「なあ、出来れば、聞かせてくれないか?君と兄貴の話……」
「え?」
「これでも、兄貴の事は其れなりに知ってるつもりなんだ。でも、兄貴はそんなに他人を避けたり、遠ざけたりすることは無いと思ってる。どうして君は、兄貴が君に会いたくないと思うんだ?」
「それは……」
やや口ごもりながら、ボクはエギルを見た。エギルは、少しだけ笑って、一つ頷く。少しだけ、背中を押された気がした。

「……ボクは……」

────

「……そうか」
「…………」
全ての話を聞いてから、キリトは深く頷いた。

「うん、成程。……つまり君は、兄貴に謝りたいんだな?」
「……うん」
頷いたボクに、キリトは腕組みをして目をつむり、しばらく唸り……やがて、小さく頷いて小さく笑った。

「……俺には兄貴がどう思ってるかは測れないから何とも言えないけど、少なくとも今の君の気持ちは分かった」
「……!じゃあ……」
「ただ、一つ約束してほしい事があるんだ」
「……?」
笑顔から打って変わって真剣な表情をしたキリトは、真っ直ぐにボクの目を見る。その目と真っ直ぐに向きあいながら、ボクは彼の話を聞いた。

「兄貴のホームには、君のその……使い魔みたいに、兄貴が絶対に守りたい人が住んでる。だから、と言うのもあるんだけど、今から言う兄貴のホームの場所は、絶対に他人には言わないでほしい、約束してくれないか?」
「…………」
リョウさんの絶対に守りたい人……
そんな言葉を聞いて、不思議な気持ちになりながら、ボクは頷いた。

「……うん」
キリトの黒い瞳を真っ直ぐに見返しながらそう言うと、キリトは再び小さく笑って頷く。

「分かった。それじゃ、頑張れ」
言いながら、キリトはストレージから一枚の紙を取り出してボクに渡す。受け取ろうと手を伸ばしたボクの手を掴んで、キリトは言った。

「俺も兄貴の事が大事だから、正直兄貴が会いたくない人と無理に引き合わせたいわけじゃない。でも、ユミルの事情は君のこれからにと
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