コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《四話─救ってやるよ》
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手に、身体が動いちゃったから……それに……」
「なんだよ」
やや言いにくそうに視線を逸らしながら、ユミルは消え入るような声で言った。
「その、ボク、リョウさんに恩返しをしなきゃって……」
「は?」
「…………」
「……ぷっ」
「う!?うぅ〜〜〜!!」
一瞬沈黙、後突然吹き出した涼人に、馬鹿にされたと思ったのか、ユミルは威嚇するように涙目でリョウを睨んだ。が、そんな事をしてもリョウの笑いを助長するだけである。寧ろ可愛げがある。
「くっ、くく……あー、恩返しね。まぁ、お気持ちだけうけととっときますよ、っと!」
「わっ」
低空跳躍で振り下ろしを躱し、着地した所でユミルを脚から地面に降ろす。そうしてユミルが地面に降り立ったのを確認すると、不意にリョウはユミルの頭をポンっ、と叩いた。
「んっ」
「ま、ありがとよ。言われなくても死なねーけどな。さっきのはちょっとしたミスっつーことで」
「ミスで死にかけたりしないでよ!」
「わかったわかった!」
苦笑しながらリョウはそう言うと、薙刀を構える。
「ほれ、離れてろ」
「う、うん……」
ユミルが離れて行く気配を感じながら、リョウ視線の先で腐剣を振りあげているガーディアンを見る。先程までの戦闘で、完全にこのガーディアンの《アバランシュ》の動きには慣れた。それこそ慣れ過ぎる程だ。
少なくとも──
「────ッ!!」
地響きと共に、深紅の光を纏う腐剣を振りあげガーディアンが突撃してくる。が、彼の間合いはリョウの直前までだ。詰まる所現在進行形全速力でリョウから離れているユミルまで攻撃は届かない。そして……
「ふっ」
「──ッ!!!!」
振り下ろした刃が着弾し、雪煙を巻き上げる。周囲の雪は吹き飛び、その下の草地をえぐって土がむき出しになっているのを見て、リョウが言った。
「ったく、今更だけどよ、景観台無しじゃねぇか。守護者《ガーディアン》なんだろ?ちったぁ配慮しろよ」
さも当然のように回避し、さも当然のように溜息を吐く。回避に要した移動距離は一歩分。
──少なくとも、この程度の事が出来るくらいには慣れていた。
「ったくよ……」
まったく嫌な話だと、リョウは溜息を吐く。
生憎自分は宗教家では無いのでさっぱりだが、一体何が憎くて、神様とやらはあの子供に此処まで苦難をお与えになるのだろう?
ただ純粋な興味と楽しみで来た世界に閉じ込められ親にも会えず、やっとの事で慣れた世界でようやく出会えた心を温めてくれる友人は他人に殺され、それでも健気に他人を信じようとして見れば、碌に構ってももらえずに無視され続ける。
「あぁまったくもって最高に最低だぜ。素晴らし過ぎて涙出てくらぁ」
吐き捨てるようにリョウは言った。
「挙句の果てには相棒助けようとすり
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