コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《四話─救ってやるよ》
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「もぎゅっ!?」と声がした気がしたが、気のせいだろう。
確認する間もなく、リョウは既に此方に向けて振り向いたガーディアンを睨む。既にガーディアンは、リョウに向けて顔を向き直らせつつある。
「鬼さん此方!」
言いながら、リョウは今度は正面を切ってガーディアンへと突っ込む。距離をとればアバランシュが来る事は確定だし、それを下手に避けようとしてユミルが軌道上に入ったりすれば事だ。
重装備を着込んだいまのユミルには残念ながらアバランシュを回避できるだけの機動力は無いし、ガードしたとしても、恐らくは即死する。
『そもそもこの重量感でアバランシュとか悪い冗談だっつーの!』
歯がみしながらリョウはガーディアンに向けて低空跳躍で飛び込む。足元についた所で一閃、振り下ろされた腐剣をとんぼ返りで左に躱すと、即座に大きく薙刀を引き……システムアシストと共に三連続で脚鋼に向けて突き出す。
三連撃技 壁破槍《へきはそう》
「────ッ!!」
「やっ……ッ……!!」
と、次の瞬間先程までの動きよりも明らかに速く、大剣が振り下ろした上体のまま水平に振り切られた。
幸い刃の部分では無い物の、巨大な腐剣の面の直撃を喰らい、リョウの身体がかなりの勢いで吹っ飛ぶ。
「の、やろがぁ!!」
崩れかけた体勢をギリギリの所で着地前に戻し、両足を地面に叩きつけてリョウは制動する。が、停止しきれず薙刀を地面に突き刺してようやく停止する。
『どう言う威力だっつの……!』
内心で悪態をつきながらも、休んでいる暇は無い。ふぅっ、と大きく一つ息を吐くと、再び薙刀を構え直す。が……
「……オイ?」
其処に、絶望的な状況があった。
それは神様のいたずらか、或いは死神の微笑みか。強いて言うならこれまで何とか保たせていた綱渡りのバランスが、大きく崩れたような、そんな不運。
別に、ガーディアンが追撃を構えていた訳ではない。いや、寧ろそうであったならどれだけ良いかと思えた。何故ならガーディアンは、“ユミルを見ていた”のだから。
「ちょっ……!」
恐らくはランダムステータスの何処かの値が、たまたまユミルをねらっただけだろう。甘かった。恐らくはアバランシュに驚いて一瞬でも攻撃の手が緩んだのが原因だ。ヘイトコントロールをし損ねたのだ。
ガーディアンが腐剣を大上段に振りあげ、その刀身が深紅に染まる。
ユミルが離れているため、当然のようにアバランシュだ。スキルが発動してしまった以上、今からヘイトを向け直そうとした所でもう遅い。かと言ってこのまま通したら間違いなくユミルが死ぬ。
冗談も誇張も一切ない。確実に、死ぬのだ。
「く、そっ……!!」
全力で地面を蹴る。最早止めようは無い。ユミルを抱えるのも間に合わない。必然出来ることなど一つしか残って居ない
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