コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《四話─救ってやるよ》
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、守護騎士の鎧を貫き、衝撃だけで周囲の雪を四方八方にまき散らす。舞い散った雪片がまるで暴力と破壊から逃げまどうように彼等の周囲から消し飛ばされ、行き場を失った大気がそれらを乱れ狂わせ……刃に灯った深緑の光が……消えた。
薙刀 最上位重連撃技 戦神《いくさがみ》
「…………ざまぁ見やがれ。糞野郎」
鎧の騎士の巨体が、ポリゴンの塊へと変わり、爆散し……消えた。
────
「…………」
信じられないような思いで、ボクはリョウさんの後姿を見ていた。
《The Gardens guardian》そう名付けられた巨大な鎧の化け物におそわれた時点で、ボクはもうダメなのかも知れないと心のどこかで考えてしまっていたと思う。きっとそんな思いがあったから、ある意味では遮二無二な感覚で、命を掛けるような行動に出ることも出来たんだ。
けれどそんな弱気なボクを、目の前の人はそれこそ、丸ごと吹き飛ばしてしまった。その刃で、何もかもを切り裂いて。
「ユミル!」
「は、はいっ!」
ぼうっとしていたボクの名前をリョウさんが呼ぶ。静かな雪原の中で唐突に響いたその声に驚いて、ボクは素っ頓狂な声を上げてしまった。しかしそれを気にする様子も無く、リョウさんはボクに言った。
「さっさと行くぞ!時間がねぇ!」
「あ、う、うんっ!」
確かに、もう本当に時間が無い。せめてこの先にある物がなんなのか、其れを確認するまではボク等の戦いは終わりでは無いのだ。
急いで駆けだしたボクに先行して、リョウさんが走り出した。
────
丘を登ったその先に会ったのは、小さな広場だった、すぐ目の前に、階層の外側。星の無い真っ黒な空が何処までも広がって居て、その向こうを見渡す事は出来なかった。きっと、空一面が雪の降る曇り空なせいだろう。
「ここだ。此処に何かがあるはずで、其れが当たりか外れかだ。何れにせよもう時間がねぇぞ!」
「(どこ!?何処かになにか……!)」
既に時間は23時58分。もう二分しか時間が無い。
焦りながら、ボク等は周囲を必死になって見回す。ボスモンスターが居た以上、この場所に何かが無ければおかしいはずだと、リョウさんは言った。其れを、必死になって探す。その時だった。
「あっ……!」
「なんだ!?……ありゃあ……」
其れをボクがリョウさんよりも早く見つける事が出来たのは、おそらくは、殆ど偶然だろう。ただ、もしかしたらその瞬間だけは、ボクはリョウさん以上の集中力と注意力を働かせることが出来ていたのかも知れないと、後になって思った。
ボクが見つけたのは、小さな双葉だった。まるで鉢植えに植えられたたった一つのタネのようにぽっこりと地面から生えた其れがやけに目立って見えたのは、それが雪の積もった地面からまるで湧き出すように生えたのがボ
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