暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《四話─救ってやるよ》
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薙刀の勢いに逆らう事無く身体を回転させ、左上から一閃、冷裂を切り下ろし、そのまま地面に穂先をめり込ませて、その勢いを止める、と即座に引き抜く。

無駄な動作が多過ぎる、強いて言うなら隙だらけな全体動作だった。たったそれだけの攻撃が、其れまでびくともしなかったガーディアンを怯ませていると言う事実さえなければ、今頃リョウはとっくに死んでいただろう。逆に言うならば、其れを可能にしてしまう程に、この冷裂と言う武器はとんでもない破壊力を秘めていたのだ。
ただ、其れには当然、相応の代償も含まれている。

「うっ琉ァッ!!」
ゴァンッ!と、およそ通常戦闘では耳にしないような音と火花をまき散らして、再び冷裂が巨大な鉄剣を弾き返す。だが今度は反動が大き過ぎた。大振りに成り過ぎたリョウの身体がたたらを踏むように後退し、反撃のチャンスを逃す。

「(腕が……抜けるっつの……!)」
歯を食いしばって内心そんな事を考えながら、リョウは地面を土がめくり上がるような勢いで踏みしめ身体に静動を掛ける。
冷裂の威力の源となって居るのは、冷裂全体の体積に対して本来現実では有りえない、異常な密度で押し込まれたその質量だ。その重力質量……詰まる所重さは実に1t、高々長さ2m強の棒状の物体に、体重50kgの人間20人分と同じだけの質量が詰まっている事になる。
其れを振り回しているリョウもリョウだが、それ以上に問題なのはその圧倒的な重量から生み出される慣性だ。質量の多い物体と言うのは、原則的に運動させるのに大きなエネルギーが必要な為運動しにくいが、同時に運動を行った際はそれを止めるためにも大きなエネルギーが必要で、止まりにくい物でもある。
詰まる所今冷裂を振り回しているリョウはこれまで使っていた薙刀とは比べ物にならない力で武器を降らなければならず、かつ、其れを止めるために更に強い力を持って武器を制御しなければならないのである。
これが、驚くほど難しい。

「大人しく、しやがれこのじゃじゃ馬ぁ!!」
発動した守護者のSSを弾き返してそのスキルを強制停止させ、振りあげた体勢から脚を踏ん張りながら、リョウは叫んだ。
振りあげた冷裂に赤黒いライトエフェクトが灯る。

「破ァッ!」
薙刀 重単発技 《剛断》

鎧の正面を、振り下ろされた刃が縦一閃に引き裂く。大きく後退した守護者のHPがガクンと大きく減少するが、それでも最後のHPゲージ中、3割の量が残存していた。
チラリと、視界の端にある時計を見る。
現在時刻、午後11時48分

「(くそっ、時間が足らねぇ!)」
残りはたったの12分しかない。このボスが此処に居る以上このフィールドダンジョンのゴールはすぐそこの筈だが、其れまでの間にこのボスを倒しきらねばならない。そう考えると、そのすぐそこが果てしなく遠く見え
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