コラボ・クロス作品
Roh×戦士達 《三話─Flower:Snow drop》
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2024年1月2日21:32
「うっ、わぁ……」
「相変わらずスゲェな此処は」
ボクらが転移門をくぐり、ようやくたどり着いた目的の階層。第47層は、皮肉と言うべきなのかもしれないけど、ボクは今までに見て来たアインクラッドの世界の中でも、絶対と断言できるほど、一番に幻想的で、とても綺麗な光景の広がる場所だった。
見渡す限りの視界に見えるのは全て、花、花、花。
主街区《フローリア》の転移門の周囲も、街の大通りの周りも、そしてその向こうに広がるフィールドも全て一面が、花で覆い尽くされた世界。しかし其れが映えているのは、緑色の草原では無い。それらの花は全て、雪の中……雪原の中に生えていた。雪の中ポッコリと浮きだしたように見える花壇や、うすく降り積もる雪に負けることなくその主張を続ける花々。降り注いで来る白い雪と相まって、それらが一つの景色として見える姿は、まるで一枚の絵のようで……
「これぞファンタジーって光景の一つだな。雪だとこうも変わるかね」
「…………」
本当に、現実離れした光景としか言いようが無い。雪の中に、こんなにたくさんの花が咲いているなんて、現実なら絶対にあり得ない……本当に……すごい……
「さてと、あんまり見とれてる時間もねぇからな。見物は歩きながらだ。行くぞ」
「あっ……!」
歩きだしたリョウさんに、ボクは少し遅れて続く。しかし歩きながらも、ボクの首は絶え間なく左右に動いている。自分でもどうかと思うのだけど、でも今のボクは確かに興奮していた。こんな景色……
「初めて見たか?こういうの」
「え、は、はい!」
考えを先読みするように言ったリョウさんに、ボクは慌てて頷いた。リョウさんはニヤリと笑いながら、遠くを眺めて楽しそうに言う。
「成程な。俺はたまにみるが、良いもんだよなこういう現実にゃありえねぇ景色ってのも」
「はい。すごい、ですよね……」
「だよなぁ、こういうの見てるとこの世界来た甲斐がってのが有る!って思えんだよなぁ……」
「…………」
出会ったばかりのボクでも分かる位、普段からニヤニヤと笑っているリョウさんがこう言った時、普段以上に楽しそうに見えたのは、きっと気の所為じゃないんだろうと思う。
「リョウさんは、こういう景色が好きなんですか?」
「ん?まぁ、こういう景色っつーか……そうだな……なぁユミル。お前、何でSAO(このせかい)に来ようと思ったんだ?」
「えっ?」
「ゲームがしたかった。とか、興味が有った、とか……こんな事になってあれだけどよ、皆最初は、この世界に来た目的を持ってただろ?お前の場合、そりゃなんだ?」
とても単純ではあっても、まるで謎かけのように投げかけられたその問い。けれどその質問は、ボクに取ってはとても答えやすい質問だった。ボクに取っては今も昔も、その
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