コラボ・クロス作品
Roh×戦士達 《三話─Flower:Snow drop》
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ね……これって……」
「……スノードロップ」
「え?」
「……に、似てるな」
言いながらリョウは歩きだす。ユミルは慌てたようにその後に続くと、リョウのすぐ後ろに付いて聞いた。
「スノードロップって?リョウさん知ってる花?」
「ん?いや、俺も人から聞いただけの花だ。冬の終わりに咲くらしいから、ありゃ厳密にはスノードロップじゃねぇんだろうけど……まぁ、見た通りの花さ」
「へぇ〜……ちょっと意外だなぁ……」
「あん?」
こそっと呟いたユミルの言葉をリョウは耳ざとく聞き逃さずに首だけで彼の方を向くと、何が言いたいのか。と行った視線を向ける。すると少し面白がるようにユミルが言った。
「リョウさんって、あんまり花とかに興味ない人かと思ってた」
「どーいう意味だこのやろー。……まぁ、実際あんまり興味がある訳じゃねぇよ?ただまぁその時聞いた逸話ってのが合ってな。其れが面白かったから覚えてただけだ」
「逸話?どんなの?」
「…………」
興味をそそられたらしいユミルが、首をコテンと傾げる。それに対しリョウは少し黙った後、詰まらなそうに語りだした。
「……その昔、雪には色が無かったそうだ。雪は神様に頼んだ。「自分にも色が欲しい」ってな。神様は言った。「なら、花から色を貰うと良い」言われた雪は、花々に色をくれと頼んだが、いくら頼んでもどの花も雪に色なんぞくれやしなかった。何でだと思う?」
「えっ!?えっと……雪が降ると、花は枯れちゃうから……花は、雪を嫌ってた?」
不意打ち気味の問いに、少し迷った後でユミルが答えると、リョウはコクリと頷いた。
「うん。神様も雪に何の恨みが有るんだかな。花に頼ませて、雪が嫌われてることぐらいわかってたろうによ。まぁともかく、そんな味方なしの状態で雪はそれでも花に頼み続けた。すると、スノードロップだけが花の申し出を唯一受けてくれたんだ」
「どうして……?」
「さぁ、どうしてだろうな」
思わず。と言った様子できいたユミルに、リョウは心底不思議そうに言った。
「けどお陰で色の無かった雪はスノードロップと触れ合い、白く染まった。スノードロップはリアルだと春前の、まだ雪が積もってる中でも咲く。余人にゃ寒さに負けない強い花だとか色々言われるらしいが、この話を知ってる連中は、雪が恩返しにスノードロップだけは枯らさず守ってるように見えるんだとよ」
「へぇー……不思議な話だね」
「ま、逸話なんてのはどんなもんでもそんな感じだけどな」
対して面白くもなさそうに言って、リョウは歩く。と、不意に立ち止まって言った。
「……見えたぞ」
「あ……」
向かう先に、小さな橋が見えた。その奥にあるのは、真っ白に染まった小高い丘。今回の目的地である、《思い出の丘》だ。
「この四十七層の中で攻略されてね
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