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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
Roh×戦士達 《三話─Flower:Snow drop》
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が気に食わなかったんでね。お前に降りかかってる糞ったれな境遇とか、現実とか。俺ぁそう言うもんが嫌いなんだ」
「気に食わないって……それだけで?」
「他に必要か?」
「そうじゃないけど……」
どうやら割に予想外な理由だったのだろう。ユミルは眼をパチクリと瞬きし、心底驚いたようにリョウを見ていた。
しかしやがて、それらを気にする事が馬鹿らしくなったかのように、小さく吹き出す。

「?なんだよ」
「うぅん、ただ、リョウさん理由はともかく、何だかさっき話してくれた花みたいだと思って、スノードロップだっけ?」
「はぁ?俺がスノードロップだぁ?」
余りにも突拍子もない言葉にリョウは声を裏返らせた。しかしユミルはいたってまじめな様子で、何処か懐かしむように言った。

「だって、誰も助けてくれなかった中で、リョウさんだけ、そんな勘なんて理由でも、ボクを助けてくれたでしょ?あの時、ボク本当に嬉しかったんだ、手を包んでくれたことも、サンドウィッチをくれたことも、本当に」
「…………大袈裟な奴だな」
「大袈裟じゃないよ。だから、一人だけ、ボクに希望と優しさをくれたリョウさんって、スノードロップみたいだなって」
冗談では一切ない、と言う風で、ユミルは言った。まぁ、多分本心なのだろうが……成程、其処まで彼は救いに飢えていた、と言う事か……
人に裏切られながらもただ、盲目的に人を信じようとし、そしてまた、再び裏切られようとして居た一人の子供……

『……正解だったな』
彼からは見えないように少しだけ微笑んでから、リョウは破顔した。

「うっははは!!んじゃお前は雪ってか?なら、もうちょいしんしんとして欲しいもんだが、てか、俺が花ってタマに見えんのかっての」
「むぅ!しんしんとしろってどういう意味さ!!」
笑いながら進むリョウと拗ねたように続くユミル。……事は、その瞬間に起こった。

ズシン、と低く一度響くように、地面が揺れた。そのまま地響きと細かい揺れが、辺りを包む。

「ッ!ユミル!近くにいろ!」
「えっ!?あ、は、はいっ!」
言うが早いがユミルは立ち止まったリョウのすぐ脇に付く。直後、ユミルが居た場所の5m程度後ろから一気に、緑色の何かが空へ昇るように伸びあがった。その場所を起点に、同じような何かが次々地面から突き出し、複雑に絡み合いながら壁を形成するように伸び上がっていく。

「こいつは……」
「棘……!?」
伸び上がって居たのは、バラのような棘を持つ蔓状植物だった。それらが複雑に絡みながら伸び上がり、やがていつの間にか、リョウとユミルが居る空間を囲い込むように、大きな円形の囲いが完成する。

「おいおいおい、勘弁してくれよ……」
「な、何!?何が起こるのリョウさん!?」
頬を引きつらせながら言うリョウにす
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