コラボ・クロス作品
Roh×戦士達 《三話─Flower:Snow drop》
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問いの答えは変わってはいなかったから。
「ボクは……この世界の動物に会いたかったんです」
「ほう?」
リョウさんの目が、興味深そうに、それでいて子供のようにキラリと光った気がした。
「ボク、動物が好きで、リアルでこのゲームのサイトを見た時に、モンスターの図鑑を見て、すごい!って思った。可愛くて、カッコ良くて、不思議で、見たことも無いモンスター達がこの世界にはたくさん居て、しかも、ボクらの目の前で動くなんて……って。知ってるかな……?この世界のモンスターのみんなって、時々、フィールドに餌を置いておいたりすると、ちょっと寄ってきて、パクッ!って食べるんだ、とっても嬉しそうで、凄く可愛くて……」
初めて、好きな事を人に聞いてもらえた。其れが嬉しくて、ボクは夢中でボクの“趣味”の事を話した。その話を、リョウは一言も聞き流そうとしないで、楽しそうに聞いてくれた。
其れが嬉しくて、ボクはもっと興奮してしまう。普段使っている敬語が取れている事にも気が付かなかった。
「ほぉ、そりゃ初めて知ったぜ。よくやるのか?そう言う事」
「うん!時々。すごく楽しいんだよ!」
「そうかそうか、案外モンスターの習性なら、お前の方が詳しかったりすんのかも知れねぇな……」
「どうかなぁ……ちょっとだけなら自信有るけど」
微笑みながらそんな事を言うと、リョウさんもまた面白そうに笑う。何時の間にか僕は、ここ数日めっきり浮かべていなかった笑顔を、ごく自然に浮かべることが出来ていた。
「それで……あっ!?」
「あ?どした」
「い、いやえっとあの!ごめ、ごめんなさい!敬語忘れて……!」
「?あぁなんだ、んなことか。別にいいっつの。そもそも俺別にお前さんに敬語で話して欲しかったわけじゃねーし。その方が話しやすいならそっちのほうがよっぽど良い。それよりよ、お前はあれだな。俺と割と似たとこあるわ」
「へ……?」
似たとこ?僕とリョウさんに?首を傾げて、そんな風に疑問に思う。すると、僕が考えている事を察したように、リョウさんはニヤリと笑った。
「ゲームじゃない手前の好きを追ってくる所とかな。似たとこっつーか、そうだな、近いとこある」
「そだ、リョウさんが好きな物って?」
「俺の場合は、世界だな」
「世界?」
オウム返しのように返すと、リョウさんは「おう」と言って軽く頷いた。
「ゲームってよ、世界観があるだろ?って、あんまわかんねーかな……例えばアインクラッドだとよ、一層毎にテーマあるだろ?二十七層みてーに常闇の国だとか、二十二層みたく超平和だったり、お前が居た五十層のアルゲードみたくすげぇごちゃごちゃしてたりよ。そう言う色んな見たことねー景色見たり。物見つけたり、お前なら、モンスター見つけたりよ。そう言うのが楽しくてなぁ」
うんう
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