コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《ニ話─買い物にて》
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は何度も何度も叩かれ、ハンマーとの間に火花を散らす。
本当の鍛冶屋さんなら、此処から更にもう一度金属を温め直したりして、金板を更に曲げて鎧の形にするんだろうけど、リズベットはそんな様子も無く、ただただその鉄塊を叩いて、叩いて、叩きまくる。
それを200回も繰り返しただろうか?あるいはもっと叩いたかもしれない頃、突然金属が眩く光り始め、即座にリズベットはやっとこを外した。するとその光の中で金属はゆっくりと形を変え、やがて、一つの姿へと固定する。
浮かび上がったのは、白銀色のプレートアーマー。余計な装飾は無く、武骨ながらも、その無駄を省いたフォルムは何処かすらっとして居て、ボクは素直に綺麗だなと思えた。これが、機能美と言うんだろうか?
「よし、ひとまず見てくれる?」
「おう」
いいながら、リズベットは防具の性能を示したウィンドウを此方にまわす。
「んー、同レベル体だと……まぁまぁってとこか」
「そうね。防御能力としてはおよそ期待値よりやや上ってところかな」
「そ、そうなんですか?」
およそどの程度の防御力なら良いのかが分からないボクは眼を白黒させていたけれど、二人はなんだかんだ納得しているらしかった。
「機会があったら、こういう時の期待値の出し方とか教えてやるよ」
「は、はい」
分かっていない様子をみて、面白がるように笑いながらそんな事を言うリョウさんに頷いて、ボクはもう一度目の前の鎧を見る。
これを着るのかぁ……
「どれ、んじゃ一回装備してみろよ。今お前大分軽装だから、ちょっと勝手がちげぇって分かるはずだ」
「あ、はい」
言われてボクは、装備メニューを開く。と、其処で不意に、手が止まった。ボクが今装備しているフード付きのマントは、システム的にでは無いにしろ感覚的に少し動きを阻害する。
全体的に動きやすくするにしても、防具の具合をリズベットやリョウさんに見せるにしても、マントは取った方が良いのかもしれない。けれどそれには……
「…………」
「?なんだ、どした?」
「あっ、いえ……その……」
いぶかしげな顔でボクの事を見たリョウさんに、ボクの中の不安が少しだけ膨れる。もし、ボクの……ボクの容姿を見た時のリョウさんの反応が……
「あ、あの……」
「あ?」
「……いえ、その……」
一瞬、マントを外さなくても良いかと聞きたくなって、けれどこれだけの恩義を受けておきながら顔も見せようとしない自分への情けなさが込み上げて来て、躊躇う。そんな様子を見て、あるいは何かを察してくれたのかもしれない。不意にリョウさんは苦笑すると、後ろ手に頭を掻いて言った。
「お前、そのフード、取りたくねェとかなら、普通に言えよ」
「ッ……」
「別にお前の顔なんざ見んでも俺は困らんしな。好きにしろ」
ぶっきらぼう
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