コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《ニ話─買い物にて》
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」
「ん?」
「リョウさんって、攻略組の方ですか?」
「ん、あぁ。まぁ一応な」
別にさしたる事でも無いと言うように、リョウさんは答えた。
攻略組。
この世界を前へ前へと進める原動力であり、ボクら中層プレイヤーにとっては、所謂……文字通りの、雲の上にいる存在。
ボクらにとっては、その存在は言わばテレビの向こうにいるアスリートや、軍人に近い物が有った。
存在も、其れが現実に起きている事であると言う事も知っている。けれどその事実はボクらの中では何処か別世界の事として認識されているようで、現実感が無く、その事をどう考えれば良いのかも良く分からなかった。と言うより、何も考えた事は無かったから、どう認識すればいいのかすらわからない。
……そんな人と、ボクは一緒にいるのか……
ふと、そんな事を思う。
ルビーが死んでしまってから此処まで、ルビーの為にと必死になってやってきたけれど、いつの間にかボクは、リョウさんに対して、何処か後ろめたくなっていた。
これから行く場所は、まだ攻略された事のない未踏破のダンジョンなのだと言う。その場所が攻略組の攻略目標である迷宮区とは逆方向に有ったために、これまでは無視されて来た場所だった。
例え攻略組と言う十分な安全マージンを取っている人たちであっても、何が有るのか分からない未踏破のダンジョンに初めて行くと言うのは、それだけで十分すぎるほどに危険が伴うもの。まして最前線にもかなり近いダンジョンでは、あるいはボクどころかリョウさんも、命の危険があるのかもしれない。
そんな場所に、連れて行ってもらおうとしている。その事実が、重く重く、ボクの心にのしかかる。
其れに、まだリョウさんには、明かしていない秘密もあった。ボクが、最期の瞬間の、本当にギリギリまで明かさずにいようと決めている秘密が……
「……おいユミル、お前聞いてるか?」
「えっ!?は、はいっ!?」
「はい、聞いてねえ。ぼーっとすんなっての。今から別の層に飛ぶぞ。良いか?」
「あ、わ、わかりました……ごめんなさい……」
コクコクと頷いたボクに苦笑すると、リョウさんは転移門へと入って行く。
「ほら」
「え」
と、不意にリョウさんが転移門の中から手を伸ばしてきた。突然の事に、一瞬何の行動なのかが分からずボクは固まる。
「一々何処飛ぶとか説明すんの面倒なんだよ。はよ来い」
「あ、えっと、はいっ」
確かに、そう言えば飛ぶとは言われたが、何処に飛ぶとは言われていない。見失っては大変とばかりに、ボクはリョウさんの手を掴んで転移門に飛び込んだ。
「転移──」
────
2024年1月2日20:27
「どれ、ここが大事な所だ……」
「次は装備、ですよね……?」
「おう。今回においちゃ、お前の命そのもの
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