コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《ニ話─買い物にて》
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が着かないのだが、他人の使い魔をわざわざ殺す理由と言うのは、一体何だったのだろう?例えば、その使い魔本体や、テイマーの方に強い憎しみや怒りが有る場合だが……高々一匹のモンスターに、其処までの憎しみを募らせると言うのは正直な所おかしな話だ。
モンスターと言うのは本来いくら殺そうが再湧出するのが当たり前。使い魔になろうがなるまいが、モンスターと言う大きな枠組みでみれば、特殊な類で無い限り特定のモンスターに憎しみを募らせるプレイヤーの例は稀だ。と言うかそもそもそんなに憎いなら、その特定のモンスターが湧出するフィールドに行って、そいつら相手に無双していれば済むだけの話である。
ともすると、ユミルの方が恨まれるような、あるいは憎まれるような事をしたのだろうか?いや、その可能性も考えにくい。
前述したように、ユミルにはフレンド登録した相手の一人すらいない。
そして、こんな事を言うのも何だが、フレンド登録と言うのは実はMMORPGではそれこそ言葉通りの“友人”と言う程の意味は持たない、かなりポピュラーかつライトな連絡手段の一つだ。
その登録相手は、偶に連絡する知り合いや、行きつけの武具店の店主、情報屋や偶に利用するプレイヤーショップのオーナーから、リョウのような攻略組に関しては各ギルドとの窓口役になっているプレイヤーのような仕事上だけの付き合い等、かなり多岐にわたる。
そんなフレンド登録にあって、ユミルの其れには一人の登録すら無かった。このSAOと言うゲームが開始されてから、既に一年以上が経っているのだ。はっきり言って、これは最早一定以上の人間との付き合いを、そもそも“持たない”事でしか不可能な域だ。そもそも他人と関わり合いを持っていないのなら、そもそも他人に恨まれようも、憎まれようもない。
『…………』
さて、その線が消えたとなると、他に考えられるのはその使い魔を殺すことによって殺した側に感情的な物とは違う、別な利益が有る場合だ。
一番に思いつくのは、モンスターを倒した時に得られるアイテムや、EXP(経験値)である。しかしこれにしても、高々一匹のモンスターを倒した所で得られる経験値等高が知れている。わざわざ他人から恨みを買うような事をして“使い魔”を殺してプラスになるような高い利益が有るとは到底思えない。
「…………はぁ。わからん……」
頭を軽く掻きながら、リョウは唸った。やはりこの少年に関する情報が少なすぎる。せめて……
「……なぁ、ユミル」
「へ?は、はい……」
せめて、彼の使い魔がなんだったかだけでも分かれば良いのだが……
「…………」
「……?」
脇目だけでユミルを見下ろしたリョウを見上げながら、ユミルがガション。と小首を傾げた。その奥の瞳は少しだけ、不安げにも見える。
「……そういやだ
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