暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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け、大きさを利用した突進等は無く、全体的に機動力が低いのが救いか。
まぁそれでも油断していると、大口を使った豪快な噛みつき攻撃からの回転(デスロール)で、体力とついでに片腕を抉り取られたりするので、注意すべき相手である事に変わりは無いのだが。
しかしそれだけの防御力を持った鋼鉄の鰐の表皮に対して、リョウ持つ薙刀は意外なほど素直に刃が入った。
といっても、刃によって鱗が切れた。なんて上品なものではない。こちらも全体が鋼鉄で出来た無骨な薙刀が、鱗を割り砕いて鰐の背に“食い込んだ”のだ。

「うっ、羅ぁ!」
そのまま自慢の剛力で薙刀を引き、半ば引き裂くように強引にして長い身体の前方半分を縦に真っ二つにされたメタリゲイターは、裂かれた口から弱々しい断末魔を残して、硝子の割り砕けるような音を残して消えた。

「ふー……」
首を慣らしながら捻るリョウのため息に混じって、レベルアップのファンファーレが鳴り響く。これでレベルは73。割といい感じに上がって居るようだ。

「さてと、帰りますかね」
後でステ振りしないとな。などと考えつつ(といっても全て筋力値行きなのだが)、リョウはのんびりとした様子で主街区に向けて歩き出す。転移結晶が無いわけではないが、無駄遣い出来るほど裕福なわけでもないのだ。リョウにとっては、節制とはそれすなわち美徳である。

――――

「流石に年明けの直後ってだけあるなぁ」
現在最前線の第50層主街区……《アルゲード》には、正月明けの買い物でもとしゃれこもうとするパーティやカップルが其処ら中に行き来していた。

元々最前線の主街区というのは物珍しさから期間限定の観光地のような場所になりやすい。中でもここ、アルゲードは、裏通りや細かい店などが多く、一つの巨大な迷路のようになっているおかげで、言わば町全体が宝探しの会場のような……掘り出し物好きのプレイヤー達にはたまらない街になりつつあった。

「とはいえ、入ると出にくいのもこの町だからな……」
苦笑しながらリョウは歩く。そう、宝探しに夢中になりすぎて路地の奥に行き過ぎると……その内帰り道がわからなくなるという話も、この町には有ったりする。まあそんな行き倒れ人間になるのも偶には一興かも知れないが……

「腹が減るのは勘弁だな」
残念ながら彼には強烈に腹の減る行き倒れは合わないらしい。

『買い物は俺も頼まれ物なしか……。一応確認だけして、さっさと帰りますかね』
そんな事を考えながら、転移門広場にさしかかった所でリョウはストレージを開いてメッセージ制作を始める。とりあえず本当に買い物は無いなと確認を入れて、ついでに今日の夕飯のメニューを……

『――――――ッ!!!』
「……ん?」
不意に……本当に不意に、何かが聞こえた気がした。それはまるで空風の
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