コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 エピローグ
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ったぜ。面白い奴に会えたしな」
ニヤリと笑った涼人に、電話の向こうで声は笑った。
[あはは。剣聖殿も同じような事をおっしゃってらっしゃいましたよ。類を無い奴に会えたと]
「そいつは光栄だ。まぁ、アイツの場合おかげで後がこええんだけどよ……」
[ふふふ。個人的には剣聖殿と刃殿の勝負はもう一度見てみたい気もしますがねぇ……]
「どいつもこいつも……」
涼人は頭を押さえて深く溜息をつくと、のんびりとした声で言った。
「んじゃ、寝るぞ俺は。出来れば二度と声聞かせんなよ」
[最後まで冷たいですねぇ……]
「ほっとけ。寝かせろ」
[はい。それでは、お疲れさまでした。■■■■の刃……リョウコウ殿]
最後に面白がるようにそう言って、電話は途切れた。ツー、ツーと鳴り響く電子音に対して、涼人は小さく呟く。
「ほっとけ」
言うと、ベットの掛け布団をかぶって……何となく、窓の向こうを見た。
その向こうには美しい銀色の光を放つ満月の光が差し込み、電気を付けていなくても部屋の中は明るい。
きっとどこか別の世界で、アイツもまた、この月を見ているのだろう。
「“誇り”か……」
今日出会った一人の戦士……否、“剣士”の発した、その言葉を、リョウは小さく呟いた。
あれほどに、純粋に剣を振るう男に、今日初めて出会った。
あれほどに、自らの誇りと生き様を真っ直ぐ感じさせる男に、初めて出会った。
そしてきっと……あれほどの強さを持った男に出会ったことも、これまで、無かった筈だ。
と、同時に、今日、別れ際に言われた言葉が、リョウの頭の中に蘇る。
『今回つけられなかった決着……機会があればALOで着けるのもいいかもしれないな』
「ったく……」
自分は彼ほど大した人間ではないと言うのに……
自嘲気味に笑ったリョウは、のんびりと、空に向かって呟いた。
「精々精進させていただきますよ……《剣聖》殿──」
あり得ない出会いと……忘れられない戦友との記憶は……青年の心に、しっかりと、染みついたのだった。
────
お互いに、忘れ得ぬ。
だから、敢えて呟くのだ。
「「“またな”」」
Crossing story 《Strongest guys ─最強の二人─ 》 完
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