コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
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イユから発される、そんなある種の性質を持った威圧感は、彼等の言葉を借りるならば“闘気”とも呼ばれるそれ。
其処に目視は出来ないが観る事は出来、確認は出来ないが確かに存在する。積み重なった自らの経験や知識を情報そのものとして発する事で生み出される、情報の塊。そしてそれは、ソレイユは真に本気の彼となった証でもある。
それを受けた時点で、リョウは自身の中である一つの結論を導き出した。
──勝てない──
戦わずとも、それだけで分かるほどの圧倒的力量。間違いなく、自分が今までに出会った中で、最強の存在。それはどう考えても……“普通にやって”リョウが勝てるレベルを超えていた。
「それが、本当の奥の手って奴かい?」
「まぁ、ね……ここからは、“わたし”のもてるもの全てをもってお相手するよ」
どういうわけか、一人称の変わったソレイユが答えた。
「其処まで強くなって、お前、本当に恋人の事大好きなんだなぁ……」
「まぁ、それもあるんだけどね……」
「?なんだよ、お前、剣に思いとか乗せちゃう人?」
少しからかうような言葉で言ったリョウに、ソレイユは気にした様子も無く肩をすくめた。
「思い、というよりは……誇りかな」
「誇り?」
首をかしげ尋ねたリョウに、ソレイユはまるで歌うような言葉を語る。
「剣は、“わたし”の誇りであり、生き方。振るうのは唯、この身の信念を貫き通し、“わたし”の誇りが誇りであるために──」
「…………」
そんな風に言うソレイユの姿は、さも当然そうで、しかしその中に何処か子供のような純粋さと、向かい合う者として感じる恐ろしさと、そして単なる第三者として見える、美しさがあった。
「それが……“わたし”の剣の在り方」
「誇り……ね」
感心したような、何処か羨むような言葉で、リョウは言った。
リョウにとっては、武器とは身を守るために振るう者であり、まだ見ぬ景色を見るために、先を切り開くための力として振るってきたものだ。其処に、ソレイユのような重みのある意図は無い。まして、人と対峙する時のリョウの刃は、いっそ恥ずかしい程に単純な理由しか持たない。
唯、殺すため。目の前の敵を殲滅するための刃。
獣の振るう、牙や爪と同じ。少なくともSAOに置いてそれは、人として振るう物では無く、ある意味では単なる一つの生命体として、その生命活動を維持するためだけに振るわれる刃だった。
そんな刃が、はたしてソレイユの振るう剣とどれだけ対峙し得るのか。それは恐らく、ソレイユのような男には、そもそも向けるべきではないようにすら感じる。しかし……
『……あいつなぁ……』
今、恐らく駅前で自分を待っているであろう幼馴染の顔を思い浮かべる。今日は寒かった筈だ。正直、あれに風邪をひかれては
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