コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
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ソレイユが脚が再び着地しきるより前に、リョウは一歩前に出た。同時に、柄を広く持ち、地面に向いている冷裂の角度がより深い角度に変わる。
「ぁぁ圧ッ!!」
「なっ!?」
溜めた力を解放するように、地面に冷裂を滑らせ、同時に柄を手の中で滑らせて“突き出しながら振り上げる”ように振るう。突如として間合いの伸びた冷裂に体勢の整いきって居ないソレイユは受け流すことは叶わない。直撃し、その身が空中に撃ち上がり後方に吹っ飛ぶ。
が、彼は空中で後ろ宙返りをした後で、とんっと音を立てて何事もなかったかのように着地した。
「ふぅ……今のは危なかった」
「こっちのセリフだっつの!!つか良い加減仕留められろよ!?」
またしてもとぼけたように言ったソレイユに、リョウが突っ込んだ。ちなみに今、ソレイユは刀の刃で受けつつ、コンマ一秒体勢の整ったタイミングを利用して、自分から後方に飛んで衝撃を逃がしたのだ。
『此奴色々と人間離れしすぎだろ……!』
そんな事をリョウは正直に思った。戦闘のセンスや、実戦経験では明らかにあちらが勝っているように思う。こんな化物級の男を前にして此処にまだ立っていられる事自体、正直奇跡ではないのかと彼は思ってた。と……
「ふぅ……」
「ん?」
静かに息を吐き出す音が聞こえた。ソレイユはリョウを見据えて、呟くように言う。
「まったく嫌になる……」
「あん?」
の言葉は確かにリョウの耳にも届いていたが、彼が何を言いたいのか、その意味は分からなかった。何故なら、嫌になるとか言いながらその表情が微笑んでいたからだ。
「なぁ、リョウ……こんな心躍る戦いは久しぶりなんだ……簡単に終わってくれるなよ」
「……ちょい待ち?なんか主旨変わってね!?俺ら別にそう言う決闘目的じゃないよな!!?」
「そうでもないさ……おれは剣士だからな。強いやつを前にすると、どうやっても止められなくなっちまう……ホント、因果なものだな、剣士って」
『そう思うならやめろよ!?』
そんな事を思っている彼を綺麗にスルーして、「だからリョウ」微笑みながら言うとフェニクニスの切っ先をリョウに向け、ソレイユは静かに、しかし圧倒的な意思と、力を持った、たった一言を言い放った。
「ここからは演技でも、臆してると……死ぬぞ」
突如、風が吹いた。
「……っ!?」
──否
風など、吹いて居ない。正確には、物理的でなく、物体ですら無い何かが、リョウの体を一気に包んだのだ。
それは、まるで威圧感その物。
空気を変えるとはこの事か……明らかに、そして意図的にソレイユから発されているそれは、瞬く間にリョウの周囲の、否、広間全体を支配すると、空間全てをソレイユの“場”として空気ごと変えてしまった。
──静謐にして、荘厳──
ソレ
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