コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
[16/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い出す。
『集中……』
周囲で揺らめく炎も、床の堅そうな石畳も、ソレイユの後方に広がる壁も……全てを視界から締め出し、ただ、空間の中に浮かび上がるソレイユの姿のみに集中する。
「「…………」」
互いに、無言の時間が数秒だけ続き……
──リョウが、動いた。
長刀の柄に手を掛けたままのソレイユに、リョウが限界まで間合いを引き延ばした冷裂を振り下ろ……寸前、リョウはあり得ないほど強烈な何かを感じ、反射的に体を反らしながら冷裂を振り下ろす。その、動作をしたその瞬間、ソレイユは何時抜いたのか分からない刀をいつの間にか振りきっていた。
まるで、過程を飛ばされて、結果だけを見せつけられたような感覚。振りきったソレイユの姿が見えた、その瞬間に、“返された”と理解……した時には、自分の体に深い切り傷が刻まれていた。
『へっ……』
分かってはいたが、やはり返されてしまった。悔しい。と思うよりも先に、尊敬の念がこみ上げる。
「……お見事」
「…………」
二ヤリと笑って言ったリョウに、ソレイユは言葉を返さなかった。無表情で考え込むように顔を伏せ、苦笑のような、そうでないような微笑みを浮かべて、返した。
「……そっちもね」
ソレイユの肩口を、冷裂が切り裂いていた。
斬られながらも、リョウが体を反らして冷裂を振りきった結果だ。二人が同時に床に倒れ──既に幾らか削られていたリョウのHPがゆっくりと、満タンだったソレイユのHPがそれより幾分が早いスピードで減り、完全に同時に、互いのHPが0になった。
空中に、緑色の文字が表示される。
──DREW──
「あーあー……マジかよ」
「はぁ……」
脱力したように、二人は息を付いた。互いに大の字になって寝転がりながら、溜息を一つ。
と、そんな二人の間の静寂を、妙にハイテンションな声がぶち壊した。
[やー!お二人ともお疲れ様でした!良い勝負でしたねぇ!]
「ソレイユー、此奴斬って」
「実態が見えればそうするんだがな……」
[ちょっ、辛辣ですね……]
苦笑したように返した天の声はしかし、気を取り直したように言った。
[それにしても、まさかの展開でしたね!引き分けとは……しかし残念!この場合は、やはりお二人のも此処に残って「はぁ?何言ってんだ?」はい?]
天の声を遮ってリョウが口を開いた。と、疑問の声が返ってくるのに対し、ソレイユが答える。
「“隣にいる相手を……倒す”お前がおれ達に課したルールはそれだけだっただろ」
「俺らお互い、相手の事は“倒した”ぜ?」
[いや、しかしですね、お二人とも戦闘不能で……]
その言葉を再び遮って、リョウがソレイユに聞く。
「ソレイユー、お前、此奴に“負けるな”とか、“勝て”とか言われたか?」
「いや
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ