コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
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『読まれてる、って見た方が正しいな……』
ソレイユが斬撃や突きを打ち出すその直前、コンマ数秒早く、リョウが動いているような気がするのだ。そのため技を打ち出した時には既に冷裂がその進路を阻む準備を始めており、此処に来てソレイユの攻撃はその殆どを防がれるようになって来ていた。
少なくとも、防がれる事に関しては始めに比べて明らかに防がれる回数が増え始めていた。
リョウにそれを問うたら、間違いなく“慣れた”と返すであろう逸れ。しかし、ソレイユは当然打ち込みつつもその原因を探る。そうして、気付いた。リョウの眼が、とにかくせわしなく、ソレイユの全身と剣を見続けているのだ。
「ふっ!」
「っと!」
それを見て、ある事に気付いたソレイユは、一度強めに打ち込むと、大きく後退する。追撃がリョウの方から来るよりも早く……
「おらよっと!」
「うおとっ!?」
思い切り分かりやすい動作で、フェニクニスを突きこむ。と、ソレイユが突きの動作を始めるよりもコンマ数秒早く、リョウの冷裂がその進路上に割り込んだ。
「……っ!」
「ん?」
一瞬だけ驚いたように目を見開いたソレイユは、しかし即座にいつもの冷静な彼に戻ると、即座に思い切りバックステップ。一気にリョウから距離を取る。
更に仕掛けて来ると思っていたリョウは、拍子抜けしたようにソレイユを見、苦笑しながら肩をすくめた。
「何だよ、打ち合いは終わりか?」
「そうだな……」
言うと、ソレイユはネームレスとフェニクニスを鞘にしまう。
「……?おいおい、今更戦意喪失でも起こしたか?」
「まさか」
笑うリョウに、ソレイユは苦笑しつつ肩をすくめる。
「……んじゃ何だよ。さっきの居合でも使うのか?」
そう言うリョウは尚も楽しげで、先程までの演技はすっかりと何処へやら。である。その顔は何処か、純粋に強敵との戦闘を楽しんでいるようにも見えた。
「まぁ、そんな所だな」
微笑みながらそう言って、脱力したように刀を持たぬままに無形の構えを取り、ソレイユはスッ、と一歩前に踏み出した。リョウ武器を降ろして聞く。
「ふむ……それ、返し前提?」
「んー、まぁ、そうだね……何で分かったんだ?」
「んー、勘だ」
「それはまた、凄いことで……」
特に威嚇するでもなく、のんびりと会話するソレイユとリョウ。しかし互いの発する闘気と、何であるか分からない何かは薄れることも揺らぐことも無く、寧ろより一層その強さを増す。
「そろそろ時間もヤバいしな……終らせようと思ってね」
「あ?あ、マジだ」
言われて、首をかしげながらリョウはウィンドウを開く。残り時間は既に、三十分を切っていた。現実で言うならばそれは、残り三十秒で列車が到着してしまう事を意味している。リョウは肩をすくめて、ソレイユに問
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