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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
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裕か。

「…………」
実際、ソレイユ自身、まだこの戦闘に置いて完璧な返し技は放てていなかった。
リョウの冷裂の反応と、其処から来る防衛の動きやカウンターが、武器の重みや取りまわしにくさを考えると明らかに速すぎたからだ。先程深呼吸をしてからはそれが更に早くなっていたし、一撃でも受けるとそれで体勢を持っていかれかねない物ばかりなせいで、完全な体勢からの一撃を放つことが難しい。

まぁとはいっても、リョウの笑みには勿論、ミリ単位程の余裕も含まれてはいない。

『ったく、バケモンか此奴……』
先程から、打ち込んでも反撃してもソレイユの対応が早すぎる上に、思い切りもキレも段違いに良い。本気になった証なのかは知らないが、何しろ突き、振り下ろし、横薙ぎ、どんな攻撃を撃っても受け流しと同時に反撃してくる上に、それらの動き全てが洗練されていて隙が少なく、厄介な事この上無かった。

状況は拮抗。
戦闘は、少しずつ、長引く様子を見せ始めていた。

────

「よっ!ほっ!ふっ!」
「…………っ」
無言で打ち込んでいるソレイユの斬撃や突きを、リョウは次から次へと叩き落としてとにかく弾き(パリィ)に徹する。その数一秒間に約六、七回。最早知覚しているのがおかしいのではあるまいかと思うほどの超高速で、二人は弾き合いを続けていた。

「奮っ!」
「っ、せぁっ」
「っと、るぉりゃ!」
「よっ!」
突きこんだソレイユを迎撃するようにリョウが冷裂を軽く振りまわし、それを滑るようなサイドステップで躱しつつ右のフェニクニスで流して、同時に左のネームレスを突き込む。それに対しリョウは冷裂を反転、柄の方を振りつつ、手の中で滑らせ柄を伸ばしたリョウが、その突きに正面から冷裂の柄をぶつけ、それを上に弾きあげてついでにソレイユの方へ柄を打ち付け……ようとしてソレイユがバックステップでそれを躱す。

「勢!」」
「っ!」
其処に、更に反転した冷裂が猛スピードで迫る。先程柄の側を伸ばした冷裂をもう一度手の中で滑らせ、今度は刃の側が伸びている。刃の分と、遠心力により再び“突き出しながら振られ”間合いの広がった冷裂はソレイユごと空間を薙ぎ払わんと迫るが……。

「よっ、と!」
「マジか!?」
ソレイユの足元を狙っていたそれを、彼は軽く飛ぶことで避けた。リョウは驚きつつ、間合いを伸ばした冷裂を即座に右手を引く事で柄を適度に両手の間に収め、次のソレイユの攻撃に備える。
其処からまた、ラッシュが始まった。

「…………」
鉄すら斬れそうな程の斬撃を次々にリョウに打ち込みながら、ソレイユは一つの事を考えていた。

『んー、打ち込みにくくなってる?』
リョウが、ソレイユの斬撃に慣れ始めているような気がしたのだ。いや、というよりもこれは……


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