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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 終ノ試練
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個人的にも困る訳で、しかも彼女は心配性なので、まぁ今までにも予想している通り……

『あー』
と、ふと思いついた。殺すために刃を振るいたくないのなら……

『偶には、良いか』
そんな刃に、理由を付けてみるのも、悪くない。
そうなると……先程ソレイユが言った言葉を、もう一度リョウは自分の中で反芻する。

“切り札っていうのはここぞって時に使うもんだ。でなければ切り札は切り札たり得ない”

「……今が、ここぞって時だろ」
「…………」
小さく呟いたリョウを、ソレイユは黙って見ている。

「いいぜ……」
「…………へぇ」
顔を上げたリョウはニヤリとした笑顔。それを見て、ソレイユもまた、ふっと先程までとはまた違った笑みで、頬を緩めた。

「久々に……全力と行きますか!」
「……!」
「吸ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ吐ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
冷裂をだらりと下げて、リョウは息を吸い、吐く。
過剰な程の深呼吸が、リョウの頭の中で、スイッチを切り替える。同時に、纏った“何か”が、ソレイユの闘気を押しのけ、広間の半分を支配する。
それは、殺意で無く、闘気で無く、威圧で無く、無ですら無い“何か”。
確かにリョウから自分達で言う闘気のような“何か”が此方に向けられていると言う感覚は、ソレイユには有る。しかしそれが“何”で、どう言う者であるのかが、ソレイユには分からない。

そしてそれは、SAOでのリョウが発したそれとも、少しだけ違う、“何か”。

──起動──

「……!」
「!」
息を吐いたまま下を向いて居たリョウが、顔を上げた。正面から目を合わせたソレイユが、少しだけ、ほんの少しだけ、驚いたように目を見開いた。
彼の眼が、先程までとは、全く違ったからだ。

「ご忠告通り。こっからは、冗談はやめだ」
「それは、嬉しいね」
「あ、ちなみにこういう態度は変えねぇぞ?」
「まぁ、その方がリョウらしいよ」
「そいつはどうも」
小さく笑って言ったリョウに、ソレイユもまた微笑みを返す。
そうして、リョウは冷裂の切っ先を向け構えを、ソレイユは無形の構えを貫く。

「んじゃ、失礼して」
「……始めるか」
リョウの膝が曲がった瞬間、その姿が掻き消えた。

「せっ!」
「ふっ」
一瞬で間合いを詰めたリョウが、一気にソレイユに限界までレンジを伸ばした冷裂を振り下ろす。対し、さも当然のようにそれは受け流したソレイユは、先程までと比べてもキレのある動きで一気にリョウまでの距離を詰める。
リョウは必要最小限の手首の動きだけで冷裂を一気に引き戻し、柄を大きく持つ。と同時に、ソレイユの右手に握られたフェニクニスがリョウから見て左上から振り下ろさ
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