コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 プロローグ
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あぁ。そういやそうだな。俺はリョウコウだ。リョウとでも呼んでくれや」
何時ものように笑ってそう言うと、青年は一つ頷いて答えた。
「ソレイユだ。呼び捨てで良いよ」
「了解。よろしくな、ソレイユ」
「あぁ、よろしく。リョウ」
そう言って互いに微笑してから、二人は薄暗い廊下へと歩きだした。
────
さて、所変わって、此方は東京都、上野駅前。
サチこと、麻野美幸は一人ベンチに座って涼人が来るのを待っていた。
此処は上野駅のすぐ前、東京文化会館と、国立西洋美術館の間に有る舗装路で、この道をまっすぐ行くと、上野動物園。少し行って右に曲がると、国立科学博物館や、東京国立博物館等に行く事が出来る。
そんな場所なので、一般的にも休日の今日は、家族連れやカップルらし気人々が多く美幸の前を通っていた。
春も近いとは言え、今日は昨日までのポカポカと暖かい陽気に比べると少し寒く、美幸は少し暖かい格好をして来ている。手持ちのバッグから取り出した携帯を見ると、九時五十五分。未だに涼人が居ないというのは、なんとも珍しいことだった。と言うのも、彼はいつも時間を決めて待ち合わせると、大体十五分くらい前には来る人間なのだ。それこそ、普段授業に遅れたり団体の集合時間に遅れるのがまるで嘘のように、二人や和人達と出かけるとき“だけ”は行動が早い。ちなみに、恐らくそれがようはその用事に対する好き嫌いに関係しているのだろう事は、美幸としても予想している事だった(殆ど正解である)。
『て言う事は……私とのお出かけはそんなに嫌じゃないって事なのかな』
ふふふ。と思わず顔がにやけて慌てて表情を戻す。こんな所で携帯を覗き込んで一人で笑っていると言うのは殆ど不審者だ。しかし、遅れるならば連絡の一つもあって良い物を……まぁ、彼が遅れる事自体には所謂彼が(嫌がる)集団行動で慣れっこなのだが。……む?
『あれ、つまり、りょう今回のお出かけは嫌なんじゃ……』
思い切って動物園等に誘ったのは失敗だっただろうか!!?等の考え、一人でおろおろしだす。先程よりも表情の変化は少ないが、どちらにせよ少々挙動不審だった。と……
「あのー、隣良いですか?」
「へっ!?あ、はい。どうぞ……」
不意に声を掛けられて、変な声が出た。少々朱くなりつつ、美幸は席をベンチのとなりを示す。
「ありがとうございます」
柔らかな声でそう言った相手は、自分とそう変わらぬ歳であろう少女だった。濡れるような美しい黒髪を腰より少し上まで伸ばしていて、スタイルも良い。顔も一般的に見て美少女の部類に入るだろう。
『綺麗な子だなぁ……』
何となくそんな事を考えて、こんな子なら今日はデートかな?等と言う事を考えてついつい微笑ましく思ってしまった。自分と同じように携帯を取り出して時間を確認する
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ