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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 プロローグ
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くらなんでも、これ以上遅れるのは困るのだ。

『やべ……落ちる……』
しかし本能に訴えかける凄まじい眠気には逆らい難くやがて涼人の瞼は閉じ、意識が下へ下へと落下し──

────

ソレイユこと、月影 桜火は、品川駅からの山手線内回り(上野方面)のホームに立っていた。
今朝の従姉による衝撃的起床から丁度十五分程が経過している事を駅天井の時計で確認して、桜火は小さめの溜息をついた。間違いなくここから目的地である上野駅まで十五分以上は掛かる。待ち合わせ場所が駅のすぐ近くである事を考えても、完全に遅刻だった。

「ホント、いい加減にしてほしいもんだ……」
あいも変わらない、そして全くやめようとしない(恐らく、否、恐ろしい事にこれからも)従姉の行動に桜火はいい加減に頭を痛めていたが、最早今更の事なのでと諦め気味だ。しかしまぁ、成熟した女性の裸体を行き成り見せつけられるという衝撃を慣れで諦められる辺り、自分もいい加減どうなのだろう等と思考を回す。
と、電車が来たことでその思考を止めた。ここから先はルナ……もとい。恋人である柊 月雫(ひいらぎ しずく)の前での自分で居たい。何と言うか、先程の事をいつまでもうんうん言っているのでは、余りにも格好が付かなすぎる。

「……あー」
そんな事を考えている自分に苦笑しつつ、桜火はやってきた緑色のラインの入った列車に乗った。
端の席に座ると、何となく周囲を見渡して一息をつく。ふと上を見ると、レクトの広告が見えた。ここから十六分間は、静かに座っているしかない。なので今日のこの先の予定についてをじっくりと考え始め……

──グラリ──

「っ……!?」
行き成り、全身から力が抜けた。体が重くなり、同時に強烈な眠気が彼を襲う。まるで睡眠薬でも飲まされたかのように唐突で強い眠気に、桜火は戸惑うが、しかし、だからと言って眠る訳にもいかない。何しろ後十五分で上野だ、今ぐっすり眠れば起きられずに寝過ごす確率大である。

『ちっ……』
が、彼の意思とは無関係に、眠気はドンドンと増大ずる。やがて無意識の内に瞼が閉じ、体から意識が切り離され、下へ、下へと沈むように──

────

「ん、ん?」
ピクリと瞼が持ち上がり、涼人は眼を開く。目の前には、やけに暗い空間が有った。

「……っ!?」
ぼんやりとする頭で、自分の状況を思い出してみて……涼人は跳ね起きた。既に周囲が暗いことから、まさか夜まで寝たのか等と思ったからだ。しかし……涼人の想像は外れていた。それは多分……悪いとか良いとか、そんな事を全て超越した意味で。

「……此処は何処、とか言えばいいのか?オイ」
そこは薄暗い、八畳ほどの広さの石作りの部屋だった。周囲は完全に石の壁に囲まれ、その壁には妙に明るい蝋燭の食台が付いている事で
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