コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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その、一週間半程後……
リョウは、今度は第五十九層にやって来ていた。
理由は簡単。ミオレの実を入手するためである。
第五十九層南端部にある、《レンバーシ》と言う村の農園の親父から、その依頼は受ける事が出来た。
村の北方に位置し、入口がそこ一つであるにも関わらず五十九層エリアの全体の四割近くを占める、《芳香の森》。薄光の森以来の森エリアの、その奥深くに関するクエストだ。
曰く……『広き森の奥深く、至高の幸福をもたらす甘美なる木の実有り。悪しき者を滅し深くへ至りし者、かの実と力の名誉を得ん』と言う、まぁ何と言うかまんまな伝説が有り、その“謎”を解き明かしてほしいと言うクエストだ。
「……何処が謎なんだかなぁ……?」
森の入口をくぐり、そんな事を呟きながらリョウは歩く。周りは薄光の森よりも明るく(と言ってもあの森も周りの光る草花のお陰で視界には困らなかったが)木の隙間から陽光が差し込んでいた。ただ問題一つ問題なのは……一本道だと言う事くらいか。周りに立ち並ぶ広葉樹がこれでもかと言うくらい立ち並んでいて、挙句その向こうは完全な真っ暗闇。唯一上から光の差し込む綺麗に土が向き出しになった林道を外れて森に入れば迷ってしまうと思われたし、そもそもシステム的に入るとしばらく歩くと進入禁止エリアにぶつかる仕様なっている。
故に、リョウはまるで木の谷間に居るような感覚を味わいながらも、ただ淡々と一本道を歩く。
「こういうダンジョンだと、たいてい途中で分かれ道が有んだけど……っと、おいでなすった」
のんびりと独り言をつぶやきながら歩いて居ると、何かが策敵範囲に入る。即座に《聞き耳》を発動。
「早いな」
ガサガサと木々の揺れる音が聞こえ……
「「「キキーッ!」」」
「猿か……」
木々の隙間から、三匹の紫色の猿が姿を現した。右手には曲剣を握っている。
《スローイング・モンキー》と呼ばれる獣人型モンスターだ。
「相手にとっちゃ不足だが……ってな!!」
前方に二匹。後方に一匹が着地した……その瞬間、前方に向かってリョウは飛んだ。
相手の猿が着地の衝撃を吸収し、此方にカトラスを構えきるよりも前に、リョウは猿に向かって一気に距離を詰める。そのまま、右足に赤いライトエフェクト。
足技 単発技 飛脚《鎌断》
「あらよっ」
鋭く振り抜かれたそれが、リョウから見て右に居た猿の頭を的確に蹴り飛ばし、その頭がポリゴン片となって散る。体術スキルの延長たる《足技》であるにもかかわらず、その一撃で一匹目は全身を砕け散らせた。
一匹目が居た場所を通り過ぎて土煙を上げながら着地し、二匹に屈みながら背を向けたリョウにむかって、初めはリョウの左前に居た猿が仲間の敵とばかりに腕を振り上げ、そこに緑色のライトエフ
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