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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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た笑顔がにじんでいた。

────

「いやー、終った終わった!」
「…………」
体を伸ばしながら言うリョウコウの横から、ユミルが農園の親父の家の扉をくぐって出て来る。

「よっ。お疲れさん」
「……」
声をかけたリョウを、ユミルが睨む。明らかに、「慣れ慣れしく話しかけんな」と言いたげだ。

『ま、良いけどよ』
そう思いながら、リョウはついさっき受け取ったばかりのミオレの実を取り出すと、一口かじる。

「あんぐ。腹減ってんだろ?お前も自分の食えば?美味いぜこれ」
「…………」
リョウがそう言うと、ユミルは一度胡散臭い物を見るようにリョウを見た後、しかし朝から何も食わずに行き成りボス戦だった事を思い出したのか否か。自身のアイテムストレージを操作すると、右手にミオレの実を取り出した。
小さな口を開け、くしくももう一口とばかりに口を開けていたリョウと全く同一のタイミングで、それをかじる。

「「…………」」
しばし無言でそれを咀嚼した後、リョウはニッと笑い、ユミルは驚いたように目を見開いた。

「ん!うめぇ!」
「おいしい……」
声が被った。

「……ぷっ」
「っ!」
固まったままでいた二人の内、リョウが先に吹き出す。ユミルはキッ!と音が聞こえそうな程のスピードで、リョウの方を睨んだ。

「オイオイそんな睨むなって。別に馬鹿にしてんじゃねぇんだからよ……ぷふっ!」
「っ!だったらなんで笑ってる訳!?」
「っっい、いや別に……っはっはっはっはっはっ!!!!」
「何だよ!言いたい事有るなら言えば!?」
意味が有るのか無いのか。何か言いたげに、しかし何も言わずに唯爆笑するリョウを見て、ユミルはリョウに食ってかかる。しかし何を行ってもリョウが笑うだけだと理解すると、いつも通りの。心底不愉快そうな顔をして、虚空をにらんでミオレをかじった。美味かった。

しばらく笑うリョウと不機嫌面のユミルと言う構図が展開した後、ようやく笑いを抑えてリョウが言った。

「ふっはは!はぁ……はぁ……んじゃま、俺行くわ。くくっ……縁が有ったらまたな!少年!!」
そういって、リョウは歩きだす。
その背中を見もせずに、ユミルは言った。

「もう二度と会いたくないけど……っ!?」
しかし彼は、有る事に気づいて驚いたようにリョウが居た方向に首を向ける。しかし、転移結晶を使ったのだろう。そこに、既にリョウは居なかった。

「あいつ……いつ……」
ユミルは小さく呟いたが、その問いに答える者もまた、今の彼には居なかった。

上った太陽は既に高く。天頂の有るこの世界をどういうわけか明るく照らしていた。

ユミル編 END



Crossing story 《子どもと、大人と、青年と》 完
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