コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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ミルは少しまばたきをしていた目をとめて、光源……太陽を見る。
そのときだった。
「おっ?」
「っ!」
周囲に地鳴りが響く。と同時に、地震のように地面が揺れはじめ……
「うおっ!?」
丘の中央にあった深い穴から、メキメキと言う音を立てて黄色がかった茶色の若々しい樹が現れ……
「こりゃまた……」
「…………」
それが先程まで存在していた枯れ木のように。しかし遥かに若々しく、強く、堅く、広葉を青々と茂らせて、その場に表れた。
地鳴りが収まった時、そこにあったのは……
「ミオレの樹……ってか」
オレンジ色の果実をいくつも付けた若々しい大樹が、其処にはあった。
そして……
「うおっ!?」
「わっ!?」
その果実が一斉に、雨のように落下を始めたのである。丁度広がった枝の下に居たリョウとユミルは、その果実の雨をモロに受ける羽目になり……
「こりゃあ……」
「…………」
二人が唖然としながら周囲を見渡す。陽光を瑞々しい果実が宝石のように反射し、キラキラと光りながら落下して地面に落ちたミオレの実が、地に着いたそばから青色の光となって消える。
消滅しているのではない。リョウとユミルそれぞれのストレージに、平等に分配、収納されているのだ。
「っはは!こりゃ面白いシャワーだな!」
「……にっ!?」
「あん?」
「〜〜っ」
となりから妙な声が聞こえ、リョウがそちらを見ると、ユミルが頭を押さえていた。おそらくは、実が頭に直撃したのだろうが、別に痛みも無いはずだ。先程からリョウの体にも数発当たっているのである。おそらくは反射的に声を上げてしまったのだろう。しかし普段から仏頂面の彼が驚いたような顔で頭を押さえているのを見ると……
「ぷっ!はははっ!」
「〜〜〜〜!」
何となく笑えて来て、リョウは声を出しながら遠慮することも無く笑ってしまった。
ユミルが顔を紅潮させ、明らかに怒った顔で此方を睨んでいたが、気にならなかった。
やがてミオレの樹はその実を全て落としきり、沈黙した。
「…………」
「…………」
まるでファンタジー映画の一シーンのような光景をみたせいか、二人は少しの間其処に固まる。
しかし少ししてリョウが視線を移すと、若々しい樹にやたらと大きな洞が出来ているのが見えた。おそらくは、あれに飛び込めば……
「うっし!帰ろうぜユミル!」
「…………」
振り返ってユミルを呼ぶと、彼は一瞬無言のまま、まだ憤慨しているのかリョウを一つ睨んだ後、やっぱりふんっと鼻を鳴らしてリョウを追い越し、洞にするりと入りこんだ。
「ったく。やっぱ冷めた奴だなっ!」
そう楽しげに言いながら続くリョウの顔には、やはりと言うべきか。ニヤリとし
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