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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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「!?」
更に飛んできた左の蔓をまたしても下がってかわし、ユミルが言い返す。

「何だよそれ!ボクは頼んでなんか……」
「お前の手伝いがいんだよ」
「ボクにはどうでも良い!」
「良くねえ筈だ。勝ちの策だ」
「…………」
と、言い合いが止まる。ユミルが不機嫌面から一転して真剣な(まあまだリョウを見る目は鋭いが)表情に変わったのを見て、リョウはニヤリと笑う。

「乗るかい?」
「…………内容を聞かせて」
「All right. 充分だっと!」
「ふっ!」
其処から二人は、次々飛んでくる蔦をかわしながら話し合い……と言うか、リョウが一方的にユミルに策を伝えた。
そして話終えると……

ユミルは相当に迷ったような表情を数秒にわたって見せた後、小さくこう聞いた。

「…………出来るの?」
「やろうと思えば多分な。ま、乗るか反るかはお前が俺を信じてくれるかにもよる」
「…………」
「あー……」
と、言ってからリョウは言葉を間違えた事に気付く。彼は少なくとも現時点で他人である自分を信用するつもりが無いことは分かり切った事だ。「信じろ」と言って、「分かった」と返ってくる訳がない。と言うことは……

「なら……」
「分かった!じゃこうしようぜ」
「……?」
何か(恐らくは拒否を)言いかけたユミルの言葉を遮って、リョウは言う。

「“俺”は信じなくてOKだ。“俺の実力”を信じろ。これでどうだ?」
「…………」
言うと、ユミルは黙り込む。そこに、リョウはだめ押しのようにもう一言。

「少なくとも、お前が信頼する“お前の実力”以下ってことはねえぜ?」
「っ!」
カチンッ!と言う音が聞こえた気がした。キッとユミルが心底不愉快そうに自分を睨むのを、リョウはニヤリと見返す。
ほんの一瞬にらみ合うように視線を合わせた二人はしかし、ユミルが視線を前に向け、ちっと小さく舌打ちをした事でけりが付いた。今のは舌打ちだが、了承の意味だ。少なくとも、此奴(ユミル)は拒否するときはきっちり拒否するタイプだ。

「んじゃ早速だけど行くぜ?」
「好きにすれば」
まるで他人事のように言うユミルに苦笑しつつ、リョウは踏み込む。直後、枯れ木は先程と同じように、その巨躯を大きく逸らす。

「ちゃんと着いて来いよ!」
「偉そうに!!」

ビビビビビビビュン!!

蔦が空間を切り裂く音が響き、リョウとユミルが一気に踏み出す。ユミルは、リョウの左に着いていた。
飛んでくる蔦達に対し、リョウ達の進路は真正面真っ直ぐである。

蔦達は、枯れ木を中心に一旦平面200度以上の角度に放たれた後、その軌道を枯れ木の正面に向けて飛んでくる。この場合、標的が中央に
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