コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その二
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タルト生地の上に乗った大量のミカンがキラキラと光るその姿はまさしく食物の宝石であると言っても消して過言ではない。
有る意味で、この世界で最も美しい食い物ではあるまいか……
「ふふふっ……」
「すっげえな……」
目の前のタルトを見ながら、リョウは唖然としたように呟く。しかし直ぐに気を取り直すと、ワンホール丸ごとにも関わらず、フォークを持つ。
「切り分ける?」
「いや、結構……いただきます」
「召し上がれ」
ニコリと笑って言ったマーブルに小さく頭を下げて、リョウはフォークを伸ばす……
端から一切れ大きく切り取る。
ザクッと小気味の良い音がして、基部に なっていたクッキー質の生地が割れる。そのまま真っ直ぐにフォークを突き刺し、口に運び……
「…………!!」
直後、リョウの身体がカチンと固まる。これは……!
「こりゃ、美味ぇ……」
唖然とした様子で言ったリョウに、マーブルはクスクスと笑う。
「な、なんすか?」
「ふふっ……う、ううん。だってリョウ君、とっても反応が大げさなんだもの……」
「いやいやいや!マジでうまいっすよこれ!」
タルトを指差しながらリョウは喚く。実際かなりこのタルトは美味かった。 サクサクの生地に、薄く引かれた滑らかなクリームと、その上のミカン……もとい、ミオレの実。 全ての触感と味わいが絶妙に合わさり、互いに調和しつつ主張している。
美味い……!
「それは勿論、私も味見はしたもの。でもやっぱり、少し大袈裟じゃないかしら?」
「何言ってんすかマーブルさん!美味い物を美味いって言う!これが出来なきゃ生きてる意味ないっすよ!」
「そ、其処まで言える程なのね……」
軽く引いた様子のマーブルに、たたみかけるようにリョウは続ける。
「そりゃそうっすよ!俺なんかはソロプレイヤーっすから、大体楽しみなんて偶にダチと遊んでる時か、美味い飯食ってる時くらいっすからね。特に菓子は大好物ですし……これがなきゃあ、何のために生きてるやら……」
「何の……為に……」
タルトをつつきながら幸せな顔で言ったリョウを微笑みながら見ていたマーブルはしかし、リョウの言葉で彼女の表情が少し曇った。
「……?マーブルさん、どうかしました?」
「え?えぇ……」
そんな彼女の様子に気づいて、リョウは少し首をかしげる。
マーブルは少しだけ慌てたように顔を上げると……急に、真剣な顔で聞いた。
「……ねぇ、リョウ君?」
「はい?」
「もしも……もしも、貴方が美味しい物が目の前にあっても食べられなかったら、どういう気持ちになるかしら?」
「どんな生殺しっすかそれ……」
マーブルの言葉に、リョウは一瞬驚いたような顔をして、すぐに苦笑し
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