コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その二
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取り出した。
「はい、じゃあ先ず此処に名前、お願い出来るかしら?」
「ういっす」
こういうとこは特に他の宿と変わらないんだな。と思いつつ、リョウはサラサラとキャラネームを書くと、彼女に促されるまま、ちょうど右端の席に座っていた金髪っ子の二つ隣に座る。
「さて!それじゃあメニューは何にしましょうか?ご希望はある?」
なんかフリーな感じの店だなぁなどと思いつつ、リョウはニヤリ笑ってかえす。
「なるたけ腹溜まるやつで。大盛でお願いします……贅沢言うと、おかわりもあればありがたいっす。あ、それとこの香りって……ハーブティー有りますかね?」
「えぇ。リーマの葉とミカーモルの二種類があるわ。お好みは?」
「ミカーモルで」
「はい。かしこまりました」
そう言うと、店主の女性は作業を始めた。心なしかその姿が楽しげに見えるのだが、気のせいだろうか?
「ふぅ……」
なんとか晩飯にありつけそうだと息をついたリョウは、何となく隣……と言うかこの店で唯一自分以外の客である金髪っ子をみる。
彼女(?)はリョウと目を合わせる気は無いらしく、一人黙々と、手に持った袋から何か……黄色く、枝豆くらいの小さな木の実を取り出しては口に入れていた。
「……?」
と、リョウはそんな光景に何故だろう、違和感を覚える。
首を傾げて少し考えると、違和感の正体はすぐに知れた。彼女(?)が、袋を使って居る点だ。
安っぽい麻で出来たあの袋はたしか、プレイヤーが木の実などを採る際に使用するか、NPCがその階層の特産品である木の実などを纏め売りしている時に使われている物だった筈だ。
何が言いたいかと言うと、明らかに店で摘み物として出すのに相応しい入れ物とは言えないのだ。と言うことは持参品と言うことになるが、ならば彼女(?)の前に何も無いのはどういう訳なのだろう?
夕飯を食べ終わったなら食べ終わったで、食器の残り……例えそれを片付けられたとしても、あの女店主ならば、尚も座っているお客にお冷位は出しそうな物だ。現に、今調理を待っているリョウの前には彼女がさり気なく置いて行ったお冷があるのだから。
単に忘れただけ。と言うことも考えられないではないが、どうにも気になる。
『……ヒマだしな』
少しコイツがどんな奴なのか探ってやろうかと思い、リョウは口を開く。
「なあ、チビっ子」
ピクッ……と、金髪っ子改めチビっ子の身体が反応を示すように動いた気がした。しかしそれっきり反応が無いので、リョウはやはり首を傾げてもう一度。
「おーい、チビっ子〜?金髪っ子〜?」
「……〜っ!」
髪の色を言われて流石に反応せざるを得なかったのか、彼女(?)は勢い良く此方を向く。その視線は明らかに此方を睨んでいて、どうやら何か怒っているようだった。
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