コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その二
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「っづあ〜〜腹減った……」
八月初めの今日……リョウは一人、第五十二層の過疎村である、《ウィークラック》にやってきていた。五十二層には特に効率の良い狩り場が有るわけでも、ましてレアなクエストが有るわけでも無いにも関わらず何故こんな過疎地にリョウがやって来ているかと言うと……実は、アスナの命令だったりする。
此処。第五十二層には他の階層と比べても一風変わった森がエリアとして広がっている。通称を《薄光の森》。主街区、《ジュイン》を中心に広がった巨大樹。霊樹によって、少々“樹陰”……木陰“こかげ”と言うには暗すぎる影の部分に広がる森で、生息している植物達その物や、その花粉等あらゆる物が薄く発光し視界に困る事無く尚且つ、幻想的な景色を魅せてくれる森だ。
その森の中で時折、明らかに強めの光を放つ青い花の蕾を見かける事が有る。
実はそれ、“採取”する事が出来るのだ。
手に入れた時に表示されるのは“青光の花粉袋花”。使用すると、周辺に青く発光する花粉を振り撒き、約10分程周辺の空間をランプ無しでも明るく照らす事が出来るというアイテムだ。
そして今回リョウに“遅刻常習犯の罰”として、遂に堪忍袋の緒が切れたアスナが出した課題は、これを四十個入手する事。
今回経験値効率の良いあるダンジョンのダンジョンボスが、暗闇で戦い、尚且つランプ系アイテムを持つプレイヤーに対して無条件に憎悪値が上がり続けると言う厄介な特性が見つかった為に、対抗措置が必要になった為の課題だ。しかし……
「一人で四十とか彼奴……絶対労働基準法違反だっつーの」
ブツブツ言いながらリョウは歩く。午前中から今……夜の7時までに集まった袋花の数は37個。後たった三つだったが、最早森中のそれを取り尽くしてしまったのかどうにも見つける事が出来ず、結局今日は主街区よりも近かったこの村で一泊して、明日残る三個を探しつつアスナの下へこれを届けるつもりで、リョウは歩いていたのだ。
「先ずは腹ごしらえして……サッサと寝てえな……」
とは言えこんな過疎地ではまともな飯は期待出来まい。などと思いつつ、リョウは左右を見回し何とかある程度以上の宿を探そうと村の中を歩き回る。そして……その店を見つけた。
「おっと……こりゃあ、また……」
一目見て、リョウはその脚を止めた。
村にある周囲の建物と並んで見て、その店から溶け込みつつも少し浮き出たような存在感を感じたのは恐らく、その店が他の建物と比べても質の良い木材を使って居るのが素人目でも分かるからだろう。
建物を構成する木材には平べったい板だけでは無く所々丸太を切り出したような素材も使われていて、ただの家……と言うよりはログハウス。といった方がしっくり来る外観だ。
階段上のウッドバルコニーの下。
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