7部分:第七章
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ギュラーなんですね」
念の為それをもう一度確かめた。
「うん、そうだよ。どっちがいいの?」
「それはですね」
二つあるのならば。山本の考えは決まっていた。
彼女は答えた。こうして恵理香は念願のヒーローに出演となったのであった。だが彼女はそれに関してかなり不満であったのだ。
「何よ、それ」
役を聞いて最初に言った言葉はこれであった。
「ヒーローじゃないじゃない」
「それでも番組ではレギュラーよ。出番だって多いし」
「そういう問題じゃないの」
頬を膨らませてそう抗議する。
「あたしはヒーローがやりたいのよ」
「仕方ないでしょ。じゃあ降りるの?」
「いえ、それは嫌よ」
降りるつもりはなかった。折角のレギュラーである。恵理香もそうした分別もあった。
「けれどヒーローじゃないなんて」
「それでもヒーローに出られることは出られるわよ」
「じゃあ出るわ」
結局受けることにした。
「それでいいわよ」
「じゃあそれでね。プロデューサーさんとお話しておくわ」
「ええ。そういえばあのプロデューサーさんと脚本家さんって」
「何!?」
「相当頑固な人らしいけれど」
「ああ、それは大丈夫よ」
山本はニコリと笑ってそれに返した。
「そちらは私に任せておいて。出番も取って来るから」
「それなら」
かなり不満ではあったがレギュラーに決まった。収録がはじまると恵理香はすぐにさらに忙しくなるのであった。
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