第四十九話 井上中尉!和歌山でファミコン勝負!!その十四
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「これをクリアーしろってか」
「これまで通り難しいな」
「しかしこれまでクリアーしてきた」
「その俺達ならな」
必ず、というのだ。
「やってやるぜ」
「クリアーしてやるぜ」
「さあ、今からな」
「やってやるぜ」
「しかしな」
「ああ、そうだな」
ここでいつもの展開になる。
「俺達は俺達だけでやっていない」
「相手がいるんだ」
「相手がいるならな」
「その相手をどうするかだ」
そこが問題なのだ。
それでだ、二人はここでだ。突然。
スーツから夥しいまでの透き通った薄黄色の液体を出した。それは。
「油!?」
「あれ油だぞ」
「あいつ等スーツから油を出したぞ」
「これはサラダ油か」
「ああ、そうだよ」
「サラダ油だよ」
その通りだとだ、二人も言う。そして。
その油がだ、ステージ全体に及んだ。井上と瞬のところも。
その油がだ、コントローラーにもかかってだった。
「これは」
「滑る」
「これでは」
「これまで通りの操作は無理です」
瞬も井上も戸惑った、だが。
何とか操作はしていた、しかし。
これまで以上の動きは無理だった、だがそれは。
ジャスティスカイザーの二人のコントローラーにもかかっていた、観衆は油で濡れたそれ等を見て言った。
「よし、これならな」
「滑って使えなくなるぜ」
「これはいいぜ」
「あいつ等にしては珍しいミスだな」
こう言うのだった。
「日帝衆の方々のコントローラーも滑るが」
「あの連中のも同じだ」
「条件は同じ!」
「対等という土俵に上がった日帝衆は無敵だ!」
車田正美先生の主人公の様にだ。
「そもそも見ろ!」
「これをな!」
ガカッ
その車田正美先生の効果音が場違いに響き。
そしてだ、二人のコントローラーが輝き。
二人はそこからビニールを剥ぎ取った、そのうえで言うのだった。
「見ろ、もうな!」
「ビニール敷いてたんだよ!」
「これで油を防いでいたんだ!」
「前以てな!」
「おい、またかよ」
「またやったのかよこいつ等!」
観衆も視聴者も怒る。
「自分達はガードか!」
「コントローラービニールでガードしてたのかよ!」
「しかもさっきの効果音何だよ!」
「全然合ってねえぞ!」
「この作品本当に演出下手だな!」
「だから人気ねえんだよ!」
こう言うのだった。
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