5部分:第五章
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はと思わせるものであった。
「バラエティも好きだし」
「あんたって仕事は何でもいいのね」
それは感心するところであった。
「グラビアでもバラエティでも」
「だってそれが仕事なんでしょ」
今度の返事はあっけらかんとしたものであった。
「タレントの」
「そうだけれどね。嫌がったりする娘って多いのよ。グラビアにしろバラエティにしろ」
「ふうん、そうなんだ」
これは恵理香にとっては少し意外なことであった。
「どれも同じ仕事なのにね」
「まあそういう考えっていいと思うわよ」
山本はそんな恵理香の考えを否定しなかった。
「そうして仕事していくのがやっぱりステップアップになるからね」
「山本ちゃんもそう思ってくれるの?」
「だから仕事とってきてるんでしょ。まあ何でもしてくれるから楽だけれど」
「そうでしょ。けれどヒーローはね」
「ええ」
「ヒーローでいきたいわよね。仮面レイピアとか言ってさ」
「あんたがレイピア?」
西洋の細い剣のことである。刺すことを主としたものでありフェシングでもよく使われている。
「そうよ。似合うと思わない?」
「何かレイピアって柄じゃないわね」
「あら、御言葉ね」
その突っ込みにはむっとした顔を見せる。
「けれどいいわ。あのヒーローね」
「そう、あのヒーロー」
「何とかやってみるわ。期待しないで待っていて」
「了解」
「まったく」
嬉しそうにはしゃぐ恵理香を横目で見て困ったような苦笑いを浮かべる。色々と面倒な彼女であるが不思議と嫌いにはなれないのが本音だった。何か妹みたいな感じだった。山本は恵理香を番組に送り出した後で楽屋でノートパソコンを使ってあれこれと調べものをした。それが一段落ついたところで撮影が終わりの時間となったのであった。
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