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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十二話 信頼の昼
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とが暴かれて、自分自身で晒して、分かったことがある。
私は怖かったんだ。
母さんのためになっていると言う喜びで隠していたけど、本当は怖かった。
その痛みが、その声音が、その日々が。
私は私自身の意思すら言葉にできず、そして従うがままに海鳴に来た。
そして出会ってしまった。
小伊坂 黒鐘と言う、強い力と不器用な優しさ、そして消せない痛みを抱えている少年に。
「小伊坂、黒鐘……」
再び、彼の名前を口にする。
すると胸の奥がキュンと音を立てる。
締め付けるような、だけど痛いって言うよりも気持ちいいような感覚。
湧き上がって止まらない甘く切ない喜びと、『もっと』と言う欲望。
知りたい。
こんなにも彼を、黒鐘を想うこの感情の正体を。
「もっと、側に」
「フェイト?」
「ふぇ!?」
そんな私は、背後からかけられた声に驚き、上擦った声を返してしまう。
「どうした?」
「な、なんでもない! そっちこそ、どうしたの?」
「卵足りないから買ってくるな」
「……え?」
一瞬だけ、失礼だけど『この人、何言ってるんだろう?』と思ってしまった。
そのくらい動揺というか、驚いたから疑問符を出すことしかできなかった。
「鍵は閉めとくけど、誰が来ても絶対に開けるなよ? 悪い大人かもしれないからさ!」
財布や鍵は玄関にあるシューズボックスの上に置いてあったみたいで、台所から玄関、そして外に出るまでは数秒の出来事だった。
勢いよくドア、そして鍵が閉じられた。
「……」
そして私は昨日ぶりに一人になった。
《一応、私と言う監視もありますがね》
テーブルに置かれた彼のデバイスが、唯一私を監視する存在らしい。
でも、動こうと思えば私は出ていけるわけで、彼に追いつかれるよりも速く動けばきっと……なんて思ってるんだけど。
彼自身、そんなことは分かってるはずだ。
なのにこうして平気な顔をして私をこの部屋に残すのは、
「私、弱く見られてるのかな?」
ふと思った言葉が、声として出てしまった。
それほどまでに、彼の行為は疑問だらけで、彼のことをよく知るデバイスに聞いてしまうしかなかった。
《逃げられたとしても、あなた様のデバイスはマスターが所持してます。 あなたがデバイス無しで今後どうかできるとは思えないと見てるのでしょう》
「た、確かにそうだけど……」
私のデバイス/バルディッシュは未だに彼の手元にある。
だから私は普段より魔法をうまく使えないけど、この場所から逃げるくらいのことはできるし、逆に彼のデバイスを奪うことだって
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