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ソードアートオンライン~戦場で舞う道化師~
アインクラッド編
第七話本質
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を呑み込む程に溢れ出たサイガのドス黒い殺気、サイガとPohの小競り合いの中


「Beautiful…いいぜェサイガァ!」


この空気の中アスナとナギは目を覚ました。


「…ッ!な…なに…これ…!」
「…心臓を……掴まれているような…!」
(……目を覚ましたか……!?)


サイガが二人に気を取られた一瞬、Pohはその時を逃さずアスナとナギに近寄りダガーを振り上げた。


「……チッ……!」
「It's show time」



流暢な発音と共に、二人の命を刈り取ろうとする。
AGIの上限を超えた速さでサイガはPohとの距離を詰めていき、二人に迫る凶器を再び跳ね上げた。
状態を仰け反らせたPohの顔は耳まで裂けているような嗤い。
ここまでPohの計算のうちだったのだ。


「殺し合いはな…いかに冷静でいられるかなんだよ、サイガ」


Pohの左腕が光ると、体術スキル《エンブレイザー》が発動しサイガの左目を貫いた。
ガクリと膝をつくサイガに悪魔の誘いが来る。


「今からでも遅くねぇ、俺と組めサイガ」
「…………」


サイガの反応はない。


「なんだ、放心状態か?期待外れだ」


Pohは再び《エンブレイザー》を発動し、サイガの心臓を貫いた




















…………筈だった。


「ッ!?……なぜだ!?」


確実に貫いた、しかし目の前のこいつは飛散するどころか体力が減っていない。Pohがかつて無い程に動揺している中、
サイガの一言が聞こえた。


「…………眼…………」


この言葉を聞いたPohは理解した。
自分の片目がなんかしらの方法によって目の前のサイガ(コイツ)に奪われた事。
そして、相手の攻撃と自分の部位破損に気付かなかった事。


「クックック、面白いモノを見た。今は引いてやる」
「……気前がいいな」
「いずれ殺してやるよ、サイガ」


ハハハ、と笑う、Pohを見ていると、サイガはまるでこう思えてしまうのだ。


「お前、まるで棺桶が笑っている様だぜ」
「cool、面白い表現じゃないか」


そう言い残しPohは闇へ紛れた。


(クソッ、あいつ…ダメだ…今から…刺し違えて…でも…いく…し…か…)


Pohが消えた森に足を進めていくサイガ、しかし緊張の糸が切れサイガは足から崩れ落ちた。











濃厚な殺気が晴れていき、ナギとアスナは状況を理解するために辺りを見回した。
黒ポンチョの男が森の中に消え、その後一人が倒れた。



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