第2章:埋もれし過去の産物
第40話「助けたいから」
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はリヒトを真上に掲げる。
「....来い、シュネー。僕が、受け止めるから。」
「........。」
僕の言葉に、シュネーは俯いたまま答えない。
「...ホントに、私の悲しみを受け止めてくれる?」
「当たり前だ...!」
「....そっか。」
―――安心したよ。
「っ.....!!?」
ズンッ!と魔力による圧力を感じ取る。
...シュネーの、全開の魔力だ。
「なら、受け取ってよ!私の狂気を...悲しみを!!」
「シュネー....あぁ、来なよ。」
僕も魔力と霊力をリヒトに込める。
それだけじゃない。大気に散らばった魔力もかき集める。
僕もシュネーも、最大まで溜める。そして....!
「“勝利へ導きし王の剣”!!!」
「“狂気に染めし悲しみの紅”ォオオオオオオオ!!!」
金色の極光と、紅色の極光が放たれる。
その二つは拮抗し、その衝撃波で海を吹き飛ばした。
「はぁああああああ!!!」
「ぁあああああああ!!!」
...押されている。僕の魔法が。
...でも、これでいい。この魔法の本領は....。
「っ.....!?」
―――人を導く事だ。
「シュネー...!」
「ぁ...ぅ...!?」
打ち消されるように、シュネーの魔法が消える。
それに固まってしまったシュネーを、僕は抱きしめた。
「っ....!」
「...変わらないな。...いや、転生したから縮んだかな?」
“ムート”として、僕はシュネーにそう言う。
あの日、あの時死んでしまって以来、“ムート”ではなくなっていたからな。
“志導優輝”としてではなく、今は“ムート・メークリヒカイト”でいたい。
「.......。」
「...相変わらず、泣き虫だな。シュネー。いつも、こうやって慰めてたよな?」
「っ....ぅぅ....!」
あれほどの魔力だからか、さしものシュネーも魔力が尽きたらしい。
おまけに、抵抗する気力もないらしく、僕になすがままになっていた。
「...辛かっただろ?悲しかっただろ?....もう、大丈夫だ。」
「っぁ....ムー..ト....。」
言葉を紡ぎながら、僕はシュネーの頭を撫でる。
「...悪かったな、先に死んでしまって。...もう、離れないからな....。」
「ムート...ぅ..ぁあ...ムート....!」
恐る恐ると言った感じで、シュネーが抱きしめ返してくる。
「...存
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