機動戦艦ナデシコ
1293話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
映像モニタに映し出されている艦長が何を言っているのか、最初は分からなかった。
まだナデシコの中にムネタケを始めとした連合軍の軍人がいれば、その反乱だという言葉にも信憑性があったかもしれない。
だが、今のナデシコの中にそんな不穏分子は……と考えたところで、すぐにウリバタケの姿が脳裏を過ぎった。
なるほど、こういう手段に出たのか。
「で、反乱はどんな具合なんだ?」
『それが……』
『おらぁっ! 責任者出てこーい! 俺達の要求を聞いて貰うぞ!』
そんな声が響いてくる。
どうやら、まだブリッジに侵入は許していないらしい。
ただ、それでもこうしてブリッジのすぐ近くまで迫っている以上、ウリバタケ側が有利なのは事実だろうけど。
にしても、ウリバタケがまさかこんなに早く、しかもこんな手段に出るとはな。恐らく俺の部屋を監視していた奴にしても、思い立ったら即行動といったウリバタケ率いる反乱軍の動きには対応出来なかったといったところか。
「で、それを俺に言ってどうしろと?」
『こっちの援軍に来てくれれば嬉しいんですけど……駄目ですか?』
駄目って事はないけどな。
「うーん、でも向こうの要求も分からない訳じゃないのよね」
俺の側で艦長の話を聞いていたハルカが、しみじみと呟く。
『え? 向こうの要求が分かるんですか!?』
「そう、ね。……アクセル?」
「別に言ってもいいんじゃないか? 向こうだって、その辺の事情は知って貰いたいだろうし」
いや、それ以前に反乱を起こしたのに自分達の要求を伝えてなかったのか?
何だか間の抜けた話だが……それだけウリバタケ達は怒ってるって事なんだろう。
整備員達は女っ気が少ないしな。
一番身近なのが、リョーコ達パイロット3人娘だろうし。
あ、いや。違うな。身近って意味だと、毎日食堂に行っているのを考えればホウメイガールズや、その親玉のホウメイも入るか。
まぁ、ホウメイは気っぷがいい姐さんって感じだから、ウリバタケ達には手を出しにくいというのもあるかもしれないが。
『その、それで……要求っって何なんですか?』
艦長が映し出されている背後からは、ウリバタケのものと思われる声がひっきりなしに聞こえてくる。
向こうもそんなに余裕はないか。
……士官学校出身なんだし、当然格闘や射撃の訓練は受けているんだろうが、艦長にとってナデシコのクルーは半ば身内。出来るだけ乱暴な真似はしたくないといったところか。
ジュン辺りなら、意識が軍人寄りだから多少乱暴な真似は出来るかもしれないけど。
『決まってるだろ、契約書の見直しだ!』
向こうでもこっちの声は聞こえているのか、ウリバタケの怒声が聞こえてくる。
うん、だろうな。
そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ