機動戦艦ナデシコ
1293話
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こからはウリバタケが問題にしている男女交際はいいけど、手を繋ぐまでとか、その辺の話題となる。
「ああいう風な契約条項があるのは困るわよね。アクセルもそう思うでしょ?」
「どうだろうな。何の意味もなくああいった文章を契約書に書き込むとは思えないけど」
俺にしな垂れ掛かり、柔らかい身体を押しつけてくるハルカに答える。
何だかこうして見て、聞いていると、俺とハルカが高みから眺めているような、今回の黒幕のような……そんな錯覚を感じてしまう。
これで黒猫とワインがあれば完璧だろう。……ワインは駄目だな、うん。
いやまぁ、本当に気のせいなんだろうけど。
さて、どうしたものか。そろそろ何とか話を収めないと、火星に到着するんだし、何かトラブルが起きないとも限らない。
そんな風に考えたのが、もしかしたらフラグだったのかもしれないが、唐突にナデシコの中に緊急警報の音が鳴り響いた。
同時に、ナデシコの船体に激しい振動。
「きゃぁっ!」
「っと。……ハルカ、無事だな?」
幸いハルカは俺にしな垂れ掛かっていたおかげで、特に怪我もせずに済んだ。
けど、今の振動は何だ? いや、理由は考えるまでもない。ここは既に火星の近くで、木星蜥蜴はこれまでこっちのデータを揃える為に何度となく攻撃を仕掛けてきたのだから。
つまり、これがそのデータ収集の答え合わせといったところだろう。
「ブリッジ、聞こえているな? 敵だな? 出撃するのか? それとも一旦この宙域から退避するのか?」
「アクセル、悪いけど私はブリッジに行くわね」
先程までの甘ったるい雰囲気はどこへやら。すぐにナデシコの操舵士としての顔になったハルカが去って行くのを、軽く手を振って見送る。
『アクセルさん、至急出撃準備をお願いします。敵は、これまでよりも強力な戦艦です』
先程までの困った様子ではなく、こちらもまたナデシコの艦長として命令してくる。
さすが、性格はともかく能力は一流を集めたと言われるだけはある。
「了解した」
ブリッジと繋がったままだった通信を切り、コミュニケの方を起動させながら部屋を飛び出す。
向かうのは当然格納庫で、そこから移動出来るナデシコに外付けされているミロンガ改用のコンテナだ。
「それで、具体的にどんな敵だ? 強力な戦艦ってくらいだと、チューリップやカトンボじゃないんだな?」
その言葉に応えたのは、艦長ではなくルリ。
艦長はナデシコの指揮で忙しいんだろうから無理もない。
『はい。双胴型の戦艦で、ナデシコと同じくグラビティブラストを装備しています』
「……ナデシコと同じ?」
その言葉に違和感を持つ。
このナデシコ世界において、重力関係の技術というのは決して一般的なも
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