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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-2 運命の出会い
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!?」
「お怪我はありませんか!」
後ろから大神とさくらの二人の声が聞こえる。ジンは息が荒いままだったが、振り返ってただ一言「大丈夫です…」と答えた。
「坊やも、怪我はない?」
「う、うん…」
トラ少年も怪我といえるものを負っていなかった。それを見て、さくらはほっとした。
大神は、破壊された怪蒸気の一機の近くで身を掲げ、怪蒸気の残骸を見てみた。
(おかしい…怪蒸気たちはさっき、明らかに俺たちを追い詰めていた。にもかかわらず、突然機能不全を起こして…)
勝手に自爆した。根拠はないが、軍人としての勘なのか明らかにおかしいと思えてならなかった。
怪蒸気の攻撃が収まった影響からか、逃げていた人や野次が、本の少しずつだが公園に集まってきた。
「ジンさーん!!」
すると、それに呼応するように椿がジンの元に駆けつけてきた。他にも、大神の連れである『加山』という男性と、トラの母であるおクマもその中に混じっていた。


「トラ、このお馬鹿!どんだけあたしが心配したと思ってんだい!」
おクマはトラの前に駆け寄ると、息子を自分の胸の中に抱きしめた。
「ご、ごめんよ母ちゃん…俺、母ちゃんがあいつらに怪我させられたと思ったら、我慢できなくって…」
「馬鹿な子だね…父ちゃんに続いてあんたまで死んじまったら…母ちゃんはもう生きる意味をなくしちまうよ…」
息子がもしかしたら…そんな最悪な光景を見ることがなかった。生きていてくれたことに嬉しく思いながらも、おクマは無謀な行動に出た息子をきつくしかった。母のきつい抱擁に、トラも泣きながら母に謝った。
さくらは身をかがめ、トラに向かって口を開いた。
「もう危ないことしちゃだめよ。お母様は、きっとあなたのことをすごく心配してたのだから」
「…うん」
よろしい、さくらはそう言って年上の女性らしく微笑み、トラの頭を撫でた。
「はぁ…もう、いきなり危ないところに行ったらだめじゃないですか!支配人たちも心配しちゃいますよ!」
「ごめん、椿ちゃん…なんか、体が勝手に動いちゃって…」
一方で椿も、ジン彼の前に立つと同時に、厳しい視線を浴びせながら彼を咎めた。
「それにしても、君たちはすごいな。怪蒸気に果敢に立ち向かうなんて」
すると、怪蒸気から視線をジンたちに戻した大神が、さくらとジンに向けて労いの言葉を送ってきた。
「いえ、そんな…あたしこそ無我夢中で」
さくらは謙遜した様子で大神に首と両手を振って見せる。すると、大神の元に、彼の連れである加山という男性が歩み寄ってきた。
「でも、君たちのおかげで、その少年は救われた。本来なら軍人である俺たちが防ぐべきことだったが…礼を言おう。
しっかし大神。いきなり友である俺を置いて活躍するなんて酷いじゃないか?心配だってしたんだぞ?」
「す、すまん…」

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