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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-2 運命の出会い
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交戦していた怪蒸気が、ちょうど打ち込まれた大神の銃弾を刀身で受け止め、まるでジンの元に行かせまいと、すぐさまさくらの前に立ち塞がってしまう。
「く…!」
大神がさくらを助けるべく、援護射撃を放って怪蒸気を攻撃するが、怪蒸気は刀を振るい、なんと大神の銃弾を次々と切り落としてしまう。
「なんて奴だ…!」
苦虫を噛む大神。一方で、ジンの前に立ちふさがっていた怪蒸気の一体が、ジンに向けて刀を振り下ろした。
「ッ!」
ジンはトラを自分の中にしっかり抱きしめながら、怪蒸気の攻撃を避け始めた。上段からの振り下ろし、足を狙った下段攻撃と、なんとか紙一重で避けていく。しかし子供一人を抱えた状態で長く持つわけがなく、一撃を避けるだけでもかなりの集中力を要した。
すると、怪蒸気は足につま先を突っ込むと、そのまま地面を蹴り上げる。その影響でジンたちの頭から大量の砂が落ちてきて、ジンはおろか後ろにいる大神とさくらの視界さえも奪ってしまった。
「う、しまった…!」
このままでは、格好の餌食だ!大神やさくらの脳裏に焦りが生まれる。二人の予想の通り、砂のせいで視界を遮られてしまったジンや大神たちに向かって、彼らを取り囲む二体の怪蒸気の刀が同時に振り下ろされた。
ジンは、一瞬もはやこれまでかと思った。
このままじゃ…死ぬ…ッ!
だが、そんなことが許されるはずがない。自分はまだ何者なのか、一体なぜ赤い巨人の力を手に入れて目を覚ましたのか…分からないままだ。何もわからない状態で、こんなところで死んで…
「死んで…たまるかああああああ!!」
ジンが大声で叫んだ、そのときだった。
彼の体に一瞬だけ赤い光がともり、それが辺りの空気に異変をもたらした。
まるで、その場だけ時が止まったような感覚だった。
その猛烈な違和感に、大神とさくらは、いつまでも怪蒸気からの攻撃が来ないことを気にしてうっすらと目を開ける。頭から砂を被っていたものの、目に入ったわけではないので体に異常はなかった。
ただ、目を開けると、思いもよらない光景を目にする。
刀を振り下ろそうとした姿勢のまま、二体の怪蒸気たちの動きが止まっていたのだ。凍りついたともとれ、まるで最初からこの構えのままその場に設置されたモニュメントのように立ったままだ。だが、すぐに変化は訪れた。
二体の怪蒸気たちは刀を落とし、体中から火花を起こして気をつけの姿勢をとると、後ろに倒れこんだ。そして同時に、ボン!!と爆発を起こして木っ端微塵に砕け散ってしまった。
「はぁ…はぁ…はぁ…!」
顔を上げ、トラを無自覚の内に下ろしたジンは、公園の土の上に膝を着いた。
(なんだ今のは…!?)
時間が止まった…?いや、違う。怪蒸気たちの動きが止められたのだ。他ならぬ…自分の体から発せられた『何か』によって。
「き、君!大丈夫か
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