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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-2 運命の出会い
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ているだけで、幸せな気持ちに溢れてくる。街が活気に溢れている証なのだ。
だが、そんな彼女や街の人たちを脅かす影が、何の前触れもなく動き出した。
がしゃん!と大きな音が聞こえた。なんだろうと思ったが、誰かが羽目を外してしまったのだろうと思って気にしなかった。が、その次に聞いた悲鳴を聞いて、さくらはすぐに目つきを変えて振り返った。
「か、怪蒸気だぁ!!」
「ッ!」
公園に設置されていた屋台や桜の木々を踏み壊したり殴って破壊しながら、人間より一回り大きな影が暴れていた。
さくらは悲鳴の聞こえた方角に眼を向ける。屋台や木々を、山吹色の人型機械が数台、暴れまわっていたのだ。
さくらは、手荷物にある一本の細長い袋を手に取ると、口で袋を縛っていた紐を解く。すると、袋の中から一本の刀が露となった。彼女の手に握られたその刀は、太陽の光で反射する刀身が星のように光り、その鋭さは点を羽ばたく鷹のような美しさがあった。
彼女は怪蒸気に向かって走り出し、叫ぶ。
「待ちなさい!」
暴れまわる怪蒸気たちが、さくらの声に反応して彼女の方へ振り返った。
「帝都の方々のお花見を邪魔する怪蒸気!この真宮寺さくらがお相手します!」
先ほどの少女らしい一面から一転して、凛々しさを兼ね備えた声で叫びながら構えた。すると、怪蒸気たちは彼女が自分たちに敵意を抱いていることを察し、その手に握られた刀を彼女に向かって振りかざした。
さくらは、自分に怪蒸気の刀が振り下ろされる直前で足に力を入れ、前に跳んだ。
「はあああああああああ!!」
振り向きざまに放たれた居あい抜きが怪蒸気に炸裂する。少しの沈黙を経た後、さくらの背後に立つ怪蒸気は上半身と下半身に切り裂かれ、機能を停止した。
しかし、まだ怪蒸気は残っている。
「ひい…ふう…みい…」
全部で三機も残っている。その全てが、さくらを標的として捕らえていた。
しかし、さくらは疑問に思う。
(どうして、こんな場所に怪蒸気が…?)
単に花見を楽しんでいた人達を襲う。たったそれだけの理由で暴れていたのだろうか。そう思うと、俄然この怪蒸気たちに対する怒りがこみ上げる。
疑問を抱く間も与えまいと、怪蒸気の刀がさくらに襲い掛かる。さくらは滑り込むように駆け抜け、怪蒸気の攻撃を回避、振り向いて怪蒸気の一体を真っ二つにしようとした時だった。
怪蒸気の一体に、石がどこからか投げつけられた。突然投げつけられた石にさくらは目を丸くすると、その直後に甲高い少年の声が聞こえてきた。
「よくも母ちゃんに怪我させたな!せっかく…せっかく長屋のみんなと楽しく花見してたってのに!」
石を投げつけてきたのは、一人の少年だった。アイリスともあまり変わらない、やんちゃな年頃に見える。この少年が、おクマの息子のトラ少年だった。
「だめよ坊や、離れて!」
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